ベンチで「十六茶」を飲んでいる
新垣結衣 の周りに、日本のいにしえの衣装をまとった“16種類の素材の化身”が現れ、黒ずくめの忍者のような格好をした“外敵”から守ってくれるものの、新垣にはその姿が見えなくて……というシュールでコミカルなシーンが印象的な、アサヒ飲料「アサヒ 十六茶」のCM「わたしの味方」篇が2月よりオンエア。
このCMで流れている楽曲は、19世紀のフランスの作曲家
ジョルジュ・ビゼー がアルフォンス・ドーデの短編小説『アルルの女』に基づく戯曲の上演のために作曲した「アルルの女」第2組曲の「ファランドール」です。「カルメン」と並んで有名なビゼー作曲の「アルルの女」といえば、第2組曲第3曲「メヌエット」と同第4曲の「ファランドール」が特に広く知られ、「ファランドール」はフランス・プロヴァンス地方の民謡「馬のダンス」に基づいた軽快なメロディが特色となっています。本CMで使われているのは、CMオリジナル・アレンジです。
なお、CMやTV番組のBGMなどでもよく使われる「アルルの女」の「ファランドール」は、クラシック以外でも耳にすることが少なくありません。ジャズ / フュージョン・グループのフォー・プレイのメンバーとしても知られるピアニスト / プロデューサーで、“最もサンプリングされた白人ミュージシャン”とも謳われた
ボブ・ジェイムス が、1975年にリリースした2ndアルバム『
夢のマルディ・グラ 』(原題「Two」、リリース当時の邦題は『トゥー』)に「ファランドール」が収録されたほか、デンマークのDJ / プロデューサーのトルビョルン・シュヴァルツによるプロジェクト、DJスタティック(DJ Static)がドイツで開催されたブレイキンの世界大会「バトルオブザイヤー」のサウンドトラックに提供した「ミスター・ファンタスティック」(Mr. Fantastic)ではサンプリングとして使用されています。
なじみ深いところでは、
DA PUMP が2000年にリリースしたシングル「
Com'on! Be My Girl! 」にて、「ファランドール」のメロディを借りています。同曲では
ベル・ビヴ・デヴォー 「ポイズン」と思しき引用とともにイントロにて「ファランドール」が使われ、メンバーの“ビゼー!”という掛け声も聴こえます。
(写真は、2024年3月リリースの『
ビゼー:劇音楽『アルルの女』(全曲) 』)
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