12月18日は、1914年のその日に東京駅の完成式が行なわれたことから、「東京駅の日」に制定されています。2日後の12月20日に実際に開業し、これまで日本を代表するターミナル駅として多くの人々を迎えてきました。在来線が地上地下合わせて9面18線、新幹線が地上5面10線、地下鉄が1面2線と日本一多いプラットホーム数を誇り、1日当たりの列車発着本数は約3,000本、乗降客数は日本で7位(2023年現在、世界の駅乗降客数ランキングでも1位〜10位あるいは20位までを日本の駅がほぼ独占しているので、世界7位でもあります)、乗り換えなしで34都道府県と結ばれているメガステーションとなっています。“光の帆”をモチーフとした長さ約230mの大屋根が映える八重洲口と、2003年に国の重要文化財に指定された赤レンガ造りの丸の内口という対照的な駅舎も印象的で、観光スポットとしてもにぎわいをみせています。
その「東京駅の日」(または「東京駅完成記念日」)にちなんで、“東京駅”が登場する楽曲をいくつか紹介しましょう。タイトルに“東京駅”を冠するのは、
町あかりの「ここは東京駅」、
帝国喫茶の「東京駅」などでしょうか。
町あかりは、平成生まれながら昭和歌謡を愛し、楽曲提供も行なう異能のシンガー・ソングライター。「ここは東京駅」は2019年リリースのアルバム『
あかりおねえさんのニコニコ へんなうた』(写真)に収録されています。帝国喫茶は、関西大学軽音楽部のメンバーを中心に結成したバンドで、2023年の『
帝国喫茶II 季節と君のレコード』までアルバム2枚を発表。「東京駅」は2024年1月にシングルとして配信され、翌月リリースのEP『ハロー・グッドバイ - EP』でも聴くことができます。
また、歌詞に“東京駅”が登場する曲も、数多くあるなかでピックアップしてみましょう。
石川さゆりは「火の国へ」で“東京駅から 西へ向け”と歌っています。阿蘇山を舞台にした石川の出身地でもある熊本県のご当地ソングとして知られ、1978年末にはこの曲で『紅白歌合戦』にも出場しています。
1976年に
太田裕美が5枚目のシングルとして発表した「赤いハイヒール」では、東京駅に着いた日は“おさげの少女だった”と歌っています。名優
アラン・ドロンが登場することでも注目されたこの曲は、作詞・
松本隆&作曲・
筒美京平という黄金コンビが手掛けたもの。太田にとっては「木綿のハンカチーフ」に次ぐ2番目のヒット曲となりました。
そのほか、
広瀬香美「バカンスの女神」、
HOUND DOG「一日の長いLove Letter」、
玉置成実「東京」、
UVERworld「7日目の決意」、
ゴールデンボンバー「デートプラン」、
三月のパンタシア「東京」など、新旧さまざまな楽曲にて“東京駅”が顔を出しています。
古くは大正時代に流行した「東京節」にも東京駅が登場。同曲はアメリカの行進曲「ジョージア行進曲」(「マーチング・スルー・ジョージア」「ジョージアを越えて」などとも)に演歌師の
添田知道(添田さつき)が詞をつけたもので、「パイノパイノパイ」の名でも知られています。のちに
なぎら健壱や
ザ・ドリフターズほか多くのアーティストによるカヴァーが生まれ、
郷ひろみや桜庭ななみ(現・
宮内ひとみ)が歌ったロッテ「パイの実」、
森七菜が歌ったフジパン「スナックサンド」のCMソングとしても使われました。人気バラエティ番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』のコントで歌われる「パイのパイのパイ体操」の元ネタといえば、わかる方も少なくないのではないでしょうか。
「東京駅の日」に東京駅にちなんだ楽曲を聴いて、思い出を巡らせてみるのも楽しいかもしれません。
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