伊勢神宮や鈴鹿サーキット、真珠、松阪牛、赤福餅などの名所・名物で知られ、近畿地方ながらも(一般的には中部地方に含まれない)、愛知県や岐阜県とともに東海3県を形成する三重県。1872年(明治4年)から安濃津県(あのうつ、今の県庁所在地の津市の由来ともいわれる)県と度会県(わたらい)が設置され、同年に安濃津県が県庁を今の四日市に移した際に三重県へ改称。その後、1976年(明治9年)の4月18日に安濃津県から改称した三重県と度会県が合併して、現在の三重県となったことから、この4月18日を「三重県民の日」に制定しています。その「三重県民の日」にちなんで、三重県出身のアーティストを挙げていきましょう。
まずは、名前の通り三重県鳥羽市出身の
鳥羽一郎。漁師を父に、母を海女にもつという漁業一家で育ち、弟の
山川豊とともに演歌歌手としていくつものヒットを放ってきました。鳥羽は1982年のデビュー曲「
兄弟船」で新人賞を総なめし、“海の男の歌”は鳥羽の代表曲となりました。デビューとしては、弟の山川が1年早く、1981年のデビュー曲「
函館本線」がヒット。日本レコード大賞新人賞などを受賞しました。
“バタヤン”の愛称で知られる歌手 / ギタリストの
田端義夫は松阪市で誕生。威勢のいい「オース!」の掛け声と哀愁漂う声色で、広く親しまれました。生涯現役をモットーに「90歳までは歌う」と公言。自身が90歳の誕生日を迎えた2009年の元日には、歌手生活70周年を記念して『
歌手生活70周年記念全曲集 バタヤンの人生航路』をリリースしました。
同じく松阪市で生まれたのが“カナやん”こと
西野カナ。2008年にメジャー・デビューを果たすと、「Best Friend」「会いたくて 会いたくて」「if」「君って」「トリセツ」などヒットを連発。甘めのギャル感とファッションセンスも相まって、同世代の女性を中心に高い支持を獲得。2024年の活動再開後は、EP『
Love Again』(写真)を発表し、再開後初のライヴも開催。年末には6年ぶりに『紅白歌合戦』へ10度目の出場を果たしました。
ロック・バンド“
LINDBERG”のヴォーカル、
渡瀬マキは鳥羽市生まれ。1987年に「パールモンド・Kiss」でアイドル歌手“渡瀬麻紀”としてデビューし、シングル3枚を発表するも、路線を変更。翌年にLINDBERGを結成し、1990年に
浅野温子と
三上博史共演の“月9”ドラマ『世界で一番君が好き!』主題歌に起用された「
今すぐKiss Me」でブレイクしました。その後は「BELIEVE IN LOVE」「恋をしようよ Yeah! Yeah!」「だってそうじゃない!?」「もっと愛しあいましょ」などヒットを連発。現在はLINDBERGと併行してソロ活動を展開しています。
仲間由紀恵主演のドラマ『
恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方』の主題歌「Be...」などで知られる
Ms.OOJAは、四日市市出身。アパレル店員と歌手活動を並行し、28歳となった2011年に「It's OK」でメジャー・デビューを果たしました。“遅咲き”とも言われましたが、翌年に「Be...」がヒット。中国で高い支持を獲得したJAY'ED「また君と feat. Ms.OOJA」などの客演曲や、『
WOMAN -Love Song Covers-』『
流しのOOJA 〜VINTAGE SONG COVERS〜』などのカヴァー・アルバム・シリーズも人気を博しています。
亀山市で生まれたのが、
ナオト・インティライミ。その後、千葉県で育ちました。大学在学中の2001年になおと名義の「Growing up!!」でメジャー・デビューした後、世界一周の旅を経て、2005年からナオト・インティライミとして始動。
広瀬すずと
中川大志が出演の資生堂「SEA BREEZE」CMソング「いつかきっと」や
羽生結弦出演の「はたちの献血」キャンペーン・ソング「未来へ」をはじめ、「Overflows 〜言葉にできなくて〜」「ハイビスカス」「しおり」などのヒット曲を放っています。デビュー15周年イヤーとなる2025年は、通算11枚目のアルバム『
インターセクション』をリリースしています。
生まれは大阪ですが、幼少から高校時代まで名張市で育ったのが、
平井堅。1995年にドラマ『
王様のレストラン』主題歌となった「Precious Junk」でメジャー・デビューを果たすも、なかなか振るわなかったところで、2000年に「楽園」でブレイク。「even if」「KISS OF LIFE」などのヒットを積み重ね、2002年に『みんなのうた』でも放送された「大きな古時計」で初のチャート1位を獲得。翌年の選抜高等学校野球大会の入場行進曲にも選ばれました。続く「Ring」も1位に。その後も、
大沢たかおと
柴咲コウが主演を務めた“セカチュー”こと映画『
世界の中心で、愛をさけぶ』主題歌へ書き下ろした「瞳をとじて」をはじめ、「思いがかさなるその前に…」「POP STAR」「バイマイメロディー」「僕は君に恋をする」などの名曲を送り出しています。
また、2013年に配信限定シングルとしてリリース(翌年のシングル「グロテスク feat. 安室奈美恵」にカップリング収録)された「桔梗が丘」は、平井が育った地名をタイトルに冠したもの。同曲のミュージック・ビデオは、その“故郷”の名張市の桔梗が丘で撮影され、母との共演も果たしています。
そのほか、
森高千里のカヴァー「今度私どこか連れていって下さいよ」でデビューした
加藤紀子は鈴鹿市、
バカリズムの妻で、アイドル・グループの
でんぱ組.incで活動した“ねむきゅん”こと
夢眠ねむは上野市(現・伊賀市)の出身。お笑いタレントのほか、DJとしてミックスCDをリリースし、音楽フェスを主催している
やついいちろうは四日市市で育っています。声優アーティストでは、
小松未可子が桑名市、
牧野由依が志摩市の出身。ドラえもんの声で知られる
水田わさびは伊賀市出身で、高校卒業まで三重で過ごしています。