松田優作にもシビれますが、バックの音楽も印象に残るもの。無骨な魅力の松田優作にふさわしく、バリトン・サックス一本のみのソロ演奏が流れますが、演奏しているのは、クラシック、即興演奏、現代音楽を中心に活動するサックスフォニスト、大石将紀です。大石は、東京芸術大学大学院修士課程修了ののちに渡仏、パリ国立高等音楽院のサックス科、即興演奏科を最優秀の成績で卒業。また、サクソフォン四重奏“OSMOSE”のメンバーとして世界各地で公演に出演し、2008年に拠点を日本に戻してからは、ソリストとしてはもちろん、デジタル・ミュージックとの共演やテレビCMの演奏、アンサンブル「東京現音計画」への所属や大学講師として教鞭をとるなど、さまざまな分野で活動しています。ソロ・アルバムとしては、2015年に『NO MAN‘S LAND』、2019年に『SMOKE』(写真)、そして今年4月に細川俊夫のサクソフォン作品集『Light and Darkness』をオーストリアのレーベル「Kairos」よりリリースしています。