たとえば「世の中ね、顔かお金かなのよ」「弱虫のタモリが信濃での梨狩りも楽しむわよ」「イカとダンスするイノシシのいる進んだ都会」「陽子、行き先佐賀なの?長崎先行こうよ」などのように、12月21日は数字を並べると“1221”とどちらから読んでも同じに読める“回文”のようになっていることから、「回文俳句」などを手掛ける宮崎二健によって回文の日に制定されています。そこで、回文のような曲名をいくつか紹介したいと思います。
言葉遊びということもあって、子供・教育番組には“回文曲名”が多いようです。NHK教育テレビ(Eテレ)の子供向け番組『うたっておどろんぱ』では「ん?バナナのななばん」、『おかあさんといっしょ』では「トマト」、『ピタゴラスイッチ』では「こたつたこ」という曲があります。曲名は回文ではありませんが、フジテレビ系の人気子供向け番組『ひらけ!ポンキッキ』では、その名も「回文21面相」という曲が。「竹やぶ焼けた」「留守に何する」「夜ニンジンニンジン煮るよ」「カツラが落下」などの回文フレーズを歌い、最後に「わたし負けましたわ」で終わるという、楽しい歌詞になっています。
「
タッチ 」で知られる康珍化が作詞し、「ラムのラブソング」を手掛けた
小林泉美 が作・編曲した
伊藤さやか の「恋の呪文はスキトキメキトキス」は、完全ではないものの回文的な曲名のひとつ。リズミカルなポップ・サウンドの上で「恋の呪文はスキトキメキトキス さかさに読んでもスキトキメキトキス」と歌うキャッチーな楽曲で、アニメ『
さすがの猿飛 』の主題歌にも起用され、ヒットしました。
とことん回文にこだわったのが、成田ハネダ、大胡田なつきを中心に結成されたバンド“
パスピエ ”。これまでミニ・アルバム『
わたし開花したわ 』『
ONOMIMONO 』、フル・アルバム『
演出家出演 』『
&DNA 』とアルバム・タイトルでも回文ものを発表してきた彼らですが、2020年5月5日にYouTubeにて「202 OTO 505」(おと)という楽曲を期間限定で公開。2020年5月5日の“20200505”をデジタル数字で表わすと左右対称になるという成田の着想から、歌詞、構成ともに回文構造の楽曲を制作しています。
期間限定で発表された楽曲はその後「oto」(短いけれど、これも回文)というタイトルで、2020年12月リリースのメジャー6thアルバム『
synonym 』に収録。「遠い音 目覚め 世界 飛んだんだ」で始まり、「だんだんと生かせ 目覚め 遠い音」で終わるこだわり抜いた歌詞に注目です。
なお、パスピエは12月7日に8thフル・アルバム『
ukabubaku 』(写真)をリリース。よく見ると、このタイトルもしっかりと回文になっています。
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