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近ごろ話題の“MASH UP”とは?

2006/02/24掲載
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現在各メディアより熱い注目を浴びている“マッシュ・アップ(MASH UP)”とは一体何なのか? CDJournal.com的考察をまとめてみました。
 ここ日本では、映画『キル・ビル』のテーマ曲にも起用された、布袋寅泰の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」と、リップスライム「FUNKASTIC」を元に生み出された、“HOTEI vs RIPSLYME”の「BATTLE FUNKASTIC」が話題を集めている、“マッシュ・アップ(MASH UP)”。

 “マッシュ・アップ”は、かねてからDJの間で使われているリミックスのスタイルで、1つの曲からメロディを、もう1つの曲からヴォーカルを取り出すなど、異なる複数の楽曲の中からメロディやリフなどを選び合成して、新たな1つの曲を作る手法の総称。原曲の一部を引用して「ネタ」や「素材」として使う“サンプリング”に対し、“マッシュ・アップ”は、構成や細部に変化は加わるものの、余計な演奏や編曲を行なわず、基本的に原曲そのものを使った手法で、新たな楽曲を生み出すものです。

 “マッシュ・アップ”を行なっているDJの多くが、オリジナルの楽曲を作ったアーティストにリミックス使用の許諾を得ていないという事情もあるため、ひと昔前まではクラブでのプレイやインターネットでの無料配布などが普通のアングラなDJの領分として楽しまれていました。が、近年では、ザ・ビートルズの“ホワイト・アルバム”『ザ・ビートルズ』と、ジェイ・Z『ザ・ブラック・アルバム』を掛け合せた、デンジャー・マウスの『グレイ・アルバム』が話題となり、またジャンルなんでもありのミックス・プレイが話題集めた2 Many DJ'sの活躍などにより、その知名度が飛躍的にあがり、現在ではMTVにもコーナーが出来上がるほどの注目を集めています。なおMTVでは、先の“HOTEI vs RIPSLYME”「BATTLE FUNKASTIC」のほか、リンキン・パークとジェイ・Zによる『コリジョン・コース』などを仕掛けるなど、“マッシュ・アップ”に精力的な姿勢をみせています。

 “マッシュ・アップ”は、今では音楽の世界のみならず、テクノロジーの世界へも進出しており、テクノロジーの世界では、無関係な複数の既存サイトを結合して便利なサイトを再構築する手法として使われています。例えば、レストランのレビューとGoogleの地図サービスを結合して、地図付きのレストラン・ガイド・サイトを作った「食べログ.com」などが、その好例として挙げられています。

 他人の成果物を組み合わせて、新しい“何か”を生み出す手法として、さまざまな世界へと浸透し続ける“マッシュ・アップ”。意外な組み合わせであればあるほど、クリエイティヴなものとして世に語られることも多い世界なだけに、次なる一手にはどんなサプライズがあるのか、気になるところですね。
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