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あのアーティスト/バンド名、何て読むの?

2006/03/03掲載
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ジャンルの多様化に伴い、アーティスト/バンド名も複雑化の一途を辿る今日この頃。気になるお名前の数々について、CDJournal.com的考察をまとめてみました。
 「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」と言われたところで、いまさら聞けないことも多数存在する現代・日本。その綴りもディスコグラフィも熟知しているにもかかわらず、ぼんやりと霞がかかったかのように、〜ゴニョゴニョと言葉を濁してしまう“アーティスト/バンド名”。インディーズ〜メジャーまで、ジャンルを問わずに数多存在する「これ、何て読むの?」な名前を紐解いてみましょう。

 当初は同じ言葉を3つ並べれば読み方は何でもOKだったという、まさしくファン泣かせな記号系といえば、ポスト・パンクの旗手“!!!(チック・チック・チック)”。エクスクラメーション・マーク(ビックリマーク)はホントに「チック」と読むのか? という素朴な疑問も醸し出される、適当な雰囲気がたまりません。

 かたや日本へ目を向ければ、最近ではLATIN QUARTERとしての活動にも精力的な空手サイコを中心に結成、2001年にはアルバム『N×E×W×M×U×S×I×C×』を発表した3人組ユニット“××(チョメチョメ)”。“合成着色エクストリーム・サウンド!!”なるキャッチコピーも衝撃的でしたが、どう考えても上島竜兵(経由)/山城新伍(行き)が浮かんでくる、大人のエロス(ちょい下ネタ気味)な風合いが群を抜いております。

 来る4月7日、名古屋・得三にて“FRICTION”名義でのライヴを行なうRECKや、チコ・ヒゲ、カント(元村八分)などが在籍していたマルチ・アート集団“○△□(マルサンカクシカク)”、昨年11月に益子樹との共同プロデュースによって制作された2ndアルバム『ファンファーレ』を発表した“□□□(クチロロ)”など、「記号そのものを読む」という分かりづらいようで潔い?アティテュードに感服。そうかと思えば、S.O.D.(エス・オー・ディー)のように、響きはシンプルなようでいて“STORMTROOPERS OF DEATH”なる意味が込められた深〜い方々もおり。

S.O.B(SABOTAGE ORGANIZED BARBARIAN)
S.D.S(SOCIETIC DEATH SLAUGHTER)
N.W.A(Niggaz With Attitude)
D.A.F.(Deutsch Amerikanische Freundschaft)
PIL(Pubilic Image Limited)
P.O.D.(Payable On Death)
DRI(Dirty Rotten Imbeciles)
T.K.N(鉄拳)
SBK(スケボーキング)
YKZ(ヤクザキック)

 輪をかけて難しい漢字系も探ってみますと、何故か“と”だけが日本語になっている中国筝ユニット“鶯と燕(イントイェン)”、確かにそうだけど……と口もすぼんでしまう“蝸牛(エスカルゴ)”、確かに……第2弾“皮蛋(ピータン)”、本場・香港では人気爆発なのか?打込みワンマン・バンド“珈琲因公園(カフェイン公園)”、70'sフォークの隠れ名グループ“貧゜苦巣(ピンクス)”、懐かしい!ダンプ松本/大森ゆかりのユニット“桃色豚豚(ピンクトントン)”カルロス・トシキが改名ソロ・デビュー“鷹橋敏輝(タカハシトシキ)”、テレビ番組から飛び出した坊主頭の女性デュオ“素一(スッピン)”、RUDY-E/MAIによって結成された今注目のレゲエ・ダンス・チーム“努(オンナマタヂカラ)”……などなど、枚挙に暇が無い!とばかりに個性をフル活用したネーミング・センスが炸裂しているご様子。文字化け?なんて疑いも巻き起こる“父2(“2”は二乗。タァ〜タ〜ズ)”“?あ゜SISTER(アニマルシスター)”も外せません。

 凛として時雨溶け出したガラス箱熱風音楽市場魅惑の東京サロン太陽肛門スパパーン水中,それは苦しい……といった具合に、もはや単語なのやら擬音語なのやら会話なのやら、どうにも判断がつきかねるアーティスト/バンド名事情。レコード会社を移籍したと思ったら、いつの間にやら日本語表記も変わっていた……どっちで読んでいいものやら、ファンを路頭へ迷わせるせちがらい世の中を憂いつつ、まだ見ぬ強烈ネーミングに会える日を楽しみに待ちましょう。
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