ダンス・ミュージックの歴史において、欠かすことのできない刺激的なスパイス“イタロ・ディスコ(Italo Disco)”。その実態について、CDJournal.com的考察をまとめてみました。
魅惑の響き“イタロ・ディスコ(Italo Disco)”。恐山meetsディスコ!?はたまた
橋幸夫meetsディスコ!?一見さんには何のことやらさっぱり理解不能なこの言葉/このジャンル。大きな勘違いのまま、夜の街へと繰り出すその前に!知っておきたい“イタロ・ディスコ”基礎知識、1人PCに向かう腰をくねらせながら綴ってみました。
橋幸夫の笑顔を頭の中から消し去り、改めて“イタロ・ディスコ”という言葉を見てみますと、その言葉じりからひしひしと感じるイナタ〜い雰囲気。クラブ世代が思い描く“ディスコ”の印象をそっくりそのまま表わしたサウンドといっても間違いないでしょう。ひたすらきらびやか、しっとり緩めなBPM、印象的過ぎるシンセサイザーのフレーズ、下半身を重点的に狙った哀愁&ド甘のメロディ、どことなくエロなムード、金ピカ先生の授業風景、ざっくり開いた
松崎しげるの胸元……。ポスト・パンクにニューウェーヴ!と十年一昔の音楽シーン同様、今再び注目を浴びる“イタロ・ディスコ”も、80'sの産物であるようでして。
そもそも“イタロ・ディスコ”なる名前は、80's前半にドイツのレーベル“ZYX RECORDS”(現ZYX MUSIC)からリリースされたコンピレーション盤『THE BEST OF ITALO DISCO』に由来。ハイエナジー、ジャーマン・ディスコなど、同時期に勃発したシンセサイザーによるディスコ・ミュージックとは生まれが異なる“イタリア産”ディスコ・ミュージックを指しております。サウンド面での他との大きな違いといえば、決して扇情的ではなく、あくまで叙情的な佇まいを感じさせる音、といったところでしょうか。ちなみに、すっかりジャンルとして定着している“ユーロビート”は、もともと“ヨーロッパ産”全てのディスコ・ミュージックを指す呼び名として生まれたもの。歴史としてはイタロが先輩である模様。
一時期の乱発のためか、煮ても焼いても食えないカス盤を引いてしまうケースも多々あるイタロ・ディスコ界隈。
小林麻美のカヴァー(「雨音はショパンの調べ」)でもお馴染みの
GAZEBO「I Like Chopin」をはじめ、12インチ・アナログ盤で再発されたHarry Thumann「Underwater」、“一発屋”の冠も誇らしいRyan Paris「Dolce Vita」、ヴォコーダー・ヴォーカル&エレクトロな風味が新しく懐かしいMr.Flagio「Take A Chance」、来日ツアーも行った現役イタロ伊達男Alexander Robotnick「Problems D'Amour」、Tullio De Piscopo「Stop Bajon」、The Simon Orchestra「Tie Me Down」……などなど、掘り出し甲斐のある名曲もたっぷり埋まっていることも忘れずに。
さっそくレコ屋に行こうと思っても、どこから手を出していいものやらお悩みの貴方には、Alexander Robotnick来日を実現させたパーティ“Discossesion”を主宰する“DR.NISHIMURA”『New Age Of Baroque』、レーベル“Environ”代表モーガン・ガイストの手による
『UNclassics - Obscure Electronic Funk & Disco 1978-1985』、半裸のディスコ伝道師
“ダニエル・ワン”の
『SESSIONS VOL.3 COME ON Let's Fly 〜 A SPECIAL DISCO MIX FROM DANIEL WANG』といった傑作MIX CDが宜しいんではなかろうかと。
ハウス、テクノ、トランス、アイドル歌謡に小室ファミリー……手を変え品を変えて脈々と続くダンス・ミュージックの歴史。その至る所に影響を色濃く残す“イタロ・ディスコ”。今だからこそ面白い、その華麗にて波乱なるベタなディスコ・サウンドをぜひお試しください。来る5月20日には、YELLOWにてダニエル・ワン再来日パーティ!“SECRET PASSIONS”が開催されます!こちらもお見逃しなく。
“SECRET PASSIONS”
【日程】5/20
【会場】
YELLOW【時間】22:00〜
【チケット】\3,500(1Drink)、with flyer : \3,000(1Drink)
【出演】
●DANIEL WANG
●TOHRU TAKAHASHI
●KENJI HASEGAWA (Gallery/Cay)
●LOUNGE DJ : JAYPEG(ABE SHUHEI&1DRINK)、ROGER YAMAHA
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