近畿地方を中心に放送中の、三津谷葉子と載寧龍ニ(サイネイ・リュウジ)が主演するドラマ『桜2号』。恋人が急逝し、彼女を忘れられないロボット工学に関して天才的な才能を持つ主人公が、彼女そっくりのアンドロイドを作り、愛そうとする切なく哀しい、でもちょっとおかしな青春ラブ・ストーリー。このドラマのエンディングで流れている曲は、イルカの名曲「なごり雪」を、今年デビュー20周年目にして紅白歌合戦に初出場することでも話題の徳永英明がカヴァーしたもの。この曲は女性歌手の名曲をカヴァー集『VOCALIST2』(写真)に中森明菜「セカンド・ラブ」や松田聖子の「瞳はダイアモンド」のカヴァーと一緒に収録されていますよ。

　この「なごり雪」といえばイルカの大ヒット曲で、女性が歌うフォーク・ソングの代表的存在ですが、実は元かぐや姫の伊勢正三がオリジナル・アーティストで、初出はかぐや姫のアルバム『三階建の詩』(74年リリース)でした。また、この曲をモチーフに2002年には大林宣彦の手によって三浦友和、宝生舞、長澤まさみらが出演した映画『なごり雪』が作られました。この映画も青春を甘くせつなく振り返る、なかなかの傑作ですよ。