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ファンクの方言!?P-ファンクってなに?

2006/12/22掲載
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 メリー・クリスマース! と繁華街のイルミネーションがテンションを妙にヒート・アップする年の瀬シーズン。今年はブーツィのクリスマス・アルバム『ブーツィ・コリンズの灼熱のファンクリスマス』(写真右下)でパーティー・オン!……と行きたいところですがそもそもP-ファンクって何のこと? という疑問にぶちあたった貴方のためにお届けします!
 花嫁衣裳に身を包んだ男性ギタリスト(アンドレ・フォックス)や、星型のサングラスに星屑を身にまとったグリッター・ベーシスト(ブーツィ・コリンズ)、オムツ姿のギタリスト(ダーティ・ダイアパーズ)……キテレツなファッションに身を固めた凄腕ミュージシャンたちを取りまとめるのは、地球に不時着陸した宇宙船から降り立ってきたジャイアン風味の大統領(ジョージ・クリントン)! 全盛期にはノー・ギャラでステージに登場していたダンサーたちまでも擁し、総勢50人からなる一大帝国を築いていたパーラメントファンカデリックのP-ファンク軍団。……P-ファンク・オールスターズブーツィーズ・ラバー・バンドブライズ・オブ・ファンケンスタインパーレットなどのファミリー・グループも派生し、メンバーも流動的な彼らのそもそもの始まりは、ジョージ・クリントンが率いたヴォーカル・グループ、“ザ・パーラメンツ”。

 ザ・パーラメンツ(後に変名してパーラメント)は60年代に「テスティファイ」がヒットし、一躍スターダムにのし上がります。しかしレーベル契約のトラブルから“パーラメント”という名称が使えなくなり、彼らのバック・バンドであった“ファンカデリック”の名でレーベルを移籍、途中パーラメントの名前も取り戻せたのですが、74年にパーラメント名義で『UP FOR THE DOWN STROKE』(写真左下)を発表するまでファンカ名義でのリリースを続けます。
 パーラメントの名前を甦えらせたキー・マンは、ブーツィ・コリンズ。72年に一度『AMERICA EATS ITS YOUNG』に参加するもロック色が強いファンカデリックとは一時期距離を取りますが、74年に再参入。それを期にジョージ・クリントンはバーニー・ウォーレルとブーツィをパーラメントの中心にし、『UP FOR THE DOWN STROKE』をパーラメント名義で発表。この時からブーツィが曲作りに大きく関わり、ホーン・セクションも用いたヴォーカル曲をメインとしたパーラメントと、ギター・サウンドを前面に押し出し、サイケデリックな色合いが濃いファンク・ロック・ユニットとしてのファンカデリックというP-ファンクのふたつの大黒柱が完成します。P-ファンクの“P”とはParliament-Funkadelicの略であり、ピュア・ファンク(パーラメント)とサイケデリック・ファンク(ファンカデリック)を結ぶものであり、ジョージ・クリントンを中心とした帝国の象徴でもあります。

  70年代後半には『マザーシップ・コネクション』 (写真右)を皮切りに宇宙からファンクを伝道しにきたスターチャイルド、ドクター・フィンケンシュタインとサー・ノウズらが活躍する一大サーガに基づいた音源リリースや大掛かりな舞台装置を用いたライヴ活動を行いますが、80年代に入ると失速。総帥は活動停止を宣言します。
  その後はP-ファンク・オールスターズとしての活動と、メンバーそれぞれソロ活動やザップジェイムス・ブラウンのバック・バンドなど新たな活路を見出します。90年代に入るとデ・ラ・ソウルの、「ニー・ディープ」(ファンカデリック)をサンプリングした「ミー・マイセルフ・アンド・アイ」(アルバム『3フィート・ハイ・アンド・ライジング』収録)がヒット、“G-Funk”としてラップとP-ファンクのビートを融合させたドクター・ドレー、かつては直系子孫だったレッド・ホット・チリ・ペッパーズらの活躍によって再評価され、現在に至っています。
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