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外国人が歌う“カタコト日本語ソング”は?

2016/05/25掲載
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外国人が歌う“カタコト日本語ソング”の歴史を教えてください。
 日本コロムビアよりアルバム『昭和カタコト歌謡曲 男声編』『昭和カタコト歌謡曲 女声編』が6月29日(水)にリリースされます。このアルバムは外国人アーティストが片言の日本語で歌った“カタコト日本語ソング”を集めたコンピレーション盤。アルバムにはカサノヴァ7「夜の柳ヶ瀬」や弾 厚作加山雄三)作曲のアグネス・ラム「雨あがりのダウンタウン」などレアな音源を多数収録しています。

 “カタコト日本語ソング”の歴史は古く1931年に男性シンガー / ジャーナリストのバートン・クレーンが「酒が飲みたい」を発表しています。女性では1962年にコニー・フランシスが「可愛いベイビー」の日本語ヴァージョンを発表。その後も1971年にダニエル・ヴィダルの「オー・シャンゼリゼ」の日本語ヴァージョンや欧陽菲菲ベンチャーズ作曲の「雨の御堂筋」が発表されています。1981年には“エマニエル坊や”ことエマニエルが「シティ・コネクション」をリリース。つたない日本語で歌われる“カタコト日本語ソング”はどれも奇妙な魅力があり、特に女性シンガーの場合はコケティッシュに聴こえます。

 “カタコト日本語ソング”のほとんどは日本人作詞家が日本語詞を書いていますが、デタラメな日本語をでっちあげて歌うグループとして、フランスで結成されたYAMASUKI SINGERSが挙げられます。同バンドは1971年にアルバム『Le Monde Fabuleux Des Yamasuki』をリリース。このアルバムはダフト・パンクのトーマの父親、ダニエル・ヴァンギャルドが参加していることでも知られています。

[主な“カタコト日本語ソング”]

1931年
「酒が飲みたい」 / バートン・クレーン(『バートン・クレーン作品集』収録)
1962年「可愛いベイビー」 / コニー・フランシス(『ベスト・セレクション』収録)

1969年
「夜の柳ヶ瀬」 / カサノヴァ7(『昭和カタコト歌謡曲 男声編』収録)

1971年
「YAMASUKI」 / YAMASUKI SINGERS(『Le Monde Fabuleux Des Yamasuki 〜素晴らしきYAMASUKIの世界〜』

1971年
「オー・シャンゼリゼ」 / ダニエル・ヴィダル(『ベスト・セレクション』収録)

1971年
「雨の御堂筋」 / 欧陽菲菲(『ゴールデン☆ベスト』収録)

1971年
「恋人時代」 / シルヴィ・バルタン『あなたのとりこ〜シルヴィ・バルタン・ベスト・コレクション』収録)

1974年
「恋のインディアン人形」 / リンリン・ランラン『HITSTORY〜筒美京平 アルティメイト・コレクション 1967〜97 Vol.1』収録)

1977年
「雨上がりのダウンタウン」 / アグネス・ラム(『昭和カタコト歌謡曲 女声編』収録)

1977年
「TEO TORRIATTE(LET US CLING TOGETHER)」 / クイーン(『華麗なるレース』収録)

1981年
「シティ・コネクション」 / エマニエル(『昭和カタコト歌謡曲 男声編』収録)

1981年
「大地の音(日本語)」 / ザ・スリッツ(『大地の音』収録)
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