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タイトルに“鳥”にまつわる名前がつく楽曲は?

2021/05/13掲載
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“鳥”がつく曲名が知りたいので教えてください。
 毎年5月10日から16日までの1週間は“愛鳥週間”(バードウィーク)。ということで、“鳥”にまつわる曲名について調べてみました。“鳥”にまつわる名前の楽曲といっても膨大な数がありますので、いくつか具体例を挙げながら、その傾向をたどっていきたいと思います。国内外を対象にしてしまうととてつもない曲数になるゆえ、今回は邦楽に焦点を当てていきます。ある程度予想はしていたのですが、演歌や歌謡曲には“鳥”にまつわるタイトルがズラリ。ご当地ソングなど各地の風景や人情をテーマにすることが少なくないゆえ、その傾向も必然といえるでしょうか。

 さて、そのまま「鳥」という曲名ももちろんあるのですが、夢や希望を描きたい気持ちが多いからか“青い鳥”系の曲名にヒット曲が見えます。ザ・タイガース「青い鳥」や桜田淳子わたしの青い鳥」をはじめ、90年代には今井美樹「blue bird」、2000年代以降は、浜崎あゆみBLUE BIRD」やいきものがかりブルーバード」のほか、コブクロ鬼束ちひろ渡辺美里氷川きよしBENNIE K藤井フミヤCHARAORIGINAL LOVE花澤香菜Cocco松浦亜弥GARNET CROWFLOWらが“青い鳥”系のタイトルを発表しています。

 面白いのが“青(蒼)い鳥”は多いのですが、それ以外の色がついた楽曲はそれほど多くないこと。“赤(朱)い鳥”では中森明菜「赤い鳥逃げた」や東京スカパラダイスオーケストラ「朱い鳥のバラード」、椿屋四重奏「朱い鳥」などが目立つくらいで、“黒い鳥”ではAimer「Black Bird」やぼくのりりっくのぼうよみ「Black Bird」、“白い鳥”も白鳥を除くとそれほど多くはありません。“緑”もフジファブリック山崎まさよしがそれぞれ「Green Bird」という曲をもつくらいでしょうか。

 “渡り鳥”系も多いタイトルの一つ。小林旭ギターを持った渡り鳥」や水前寺清子涙を抱いた渡り鳥」、氷川きよし「ちょいと気まぐれ渡り鳥」など演歌・歌謡曲の独壇場とも言えそうなタイトルですが、2013年に9mm Parabellum Bulletが「シベリアンバード 〜涙の渡り鳥〜」を発表し、2015年には[Alexandros]が「ワタリドリ」をヒットさせるなど、ロック・シーンにもその名は見えます。

 同様に「花鳥風月」もよく使われ、SEKAI NO OWARIケツメイシレミオロメン森山直太朗EXILE THE SECONDらが曲名に採用。アレンジしたものには、MISIA「花/鳥/風/月」(ハナ・トリ・カゼ・ツキ)やAimer「歌鳥風月」もあります。「不死鳥」や「火の鳥」もよく使われるタイトルの一つ。「不死鳥」という曲名はSEKAI NO OWARI、稲葉浩志湘南乃風天童よしみが、「火の鳥」は中島美嘉らが曲名にしています。

 また、さまざまな鳥の種類がタイトルに入ることも少なくありません。渡辺真知子かもめが翔んだ日」、研ナオコ「カモメはカモメ」などの“カモメ”をはじめ、つばめ、すずめ、からす、白鳥(スワン)、鶴などが曲名に多く使われる傾向があるようです。ゆずGLAYTHE YELLOW MONKEYNEWS、米津玄師らの「カナリヤ」や浜崎あゆみ「Kanariya」、BiSHが東京スカパラダイスオーケストラをトリビュートしたことでも話題となった「カナリヤ鳴く空」などの“カナリヤ”系も知られるところ。ユニークなところでは、槇原敬之「PENGUIN」、KANA-BOON「ペンギン」、KinKi Kids「冬のペンギン」、くるり「ペンギンさん」、関ジャニ∞「クジラとペンギン」、AKB48「走れ!ペンギン」、tacica人鳥哀歌」などの“ペンギン”系や、荻野目洋子「フラミンゴ in パラダイス」、一青窈「ピンクフラミンゴ」、米津玄師、Kis-My-Ft2の「Flamingo」といった“フラミンゴ”系もあります。

 米津は前述の「カナリヤ」「Flamingo」のほか、「首なし閑古鳥」「鳥にでもなりたい」「Nighthawks」と“鳥”にまつわるタイトルが多いアーティストかもしれません。同じように中島みゆきも「あほう鳥」「かもめの歌」「ツンドラ・バード」「鳥になって」「白鳥の歌が聴こえる」「僕は青い鳥」「ロンリー・カナリア」など“鳥”関連のネーミングが多くあります。スピッツにもデビュー・シングルの「ヒバリのこころ」をはじめ、「放浪カモメはどこまでも」「8823」(ハヤブサ)「トンビ飛べなかった」などがありますが、『空の飛び方』というタイトルのアルバムもあるくらいですから、空や鳥にまつわる言葉が多いのも不思議ではないのかもしれません。

 山下達郎は98年に「キリン ラガービール」のCMソングとしても話題となった「ヘロン」を、竹内まりやは2001年に中居正広主演ドラマ『白い影』へ書き下ろした「真夜中のナイチンゲール」を、それぞれシングル・リリース。一見“鳥”に関係なさそうに思えるかもしれませんが、ヘロンは英語で“鷺”(サギ)、ナイチンゲールは“小夜啼鳥”(サヨナキドリ)の英名です。山下が白い羽と朝のイメージがある“ヘロン”を、竹内が夕暮れや夜に鳴く“ナイチンゲール”という、それぞれ夫婦で対照的なネーミングのシングルを発表しているのも、面白いですね。

 大きな枠組みで考えれば、モーニング娘。の「ピョコピョコ ウルトラ」やNMB48の「カモネギックス」も一種の“鳥”ソングといえるでしょうか。愛鳥週間だけに、好きなアーティストの曲に“鳥”にまつわる楽曲があるかを探しながら、身の周りの鳥たちを見て過ごすのも、時にはいいかもしれません。

(写真は、「Flamingo」「カナリヤ」が収録された2020年8月リリースの米津玄師の5枚目のアルバム『STRAY SHEEP』)

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