第64回グラミー賞授賞式にて、歴代3位となる11部門ノミネート、主要5部門を受賞し、話題をさらっているジョン・バティステ。「アルバム・オブ・ザ・イヤー」に輝いた『ウィー・アー』（写真）はもちろん、最優秀ミュージック・ビデオを受賞した同アルバムの収録曲「FREEDOM」のMVも注目されています。「FREEDOM」は、 “自由に生きよう”とシンプルかつ力強いメッセージを心躍る曲調にのせた、自由と平等を信念とするバティステを象徴するようなナンバー。地元ニューオーリンズで撮影されたMVでは、母校のマーチング・バンドや地元のクワイヤーらを迎え、カラフルなファッションに身を包んだダンサーとともに華やかなダンス表現を披露。コロナ禍により自粛や行動制限を余儀なくされた世界中の多くの人々の心を躍らせました。

　また、同曲の70年代ポップスやファンク調のサウンドも、ルーツ・ミュージックを現代に再解釈するジョン・バティステならでは。同じくルーツ・ミュージックを現代に再現した楽曲として、「I NEED YOU」も挙げられますが、この曲のMVでもバティステは心躍るダンス・パフォーマンスを披露しています。

　2021年1月にアルバム『ウィー・アー』から先行配信され、日本でも各地のFM局でパワープレイされるなどヒットした「I NEED YOU」は、20世紀初頭に黒人ミュージシャンに愛されたサウンドに、現代的なプロダクションとヒップ・ホップのストーリーテリングが融合したナンバー。MVは、美術館を舞台にしたストーリー仕立てで、訪れたバティステが、展示写真の前に立つカーリーヘアがチャーミングな女性と出会うところからスタート。イカした白黒写真について女性と言葉を交わし、ワクワクしてきたバティステが躍り出すと、白黒写真の中のジャズ・バンドで踊る人々も命が吹き込まれたように躍動し、写真から現実世界に飛び出してきます。ついには、古き良き時代の男女、女性をも巻き込み、1920〜40年代の米ハーレムでのスイング・ダンスにオマージュを捧げたダンスを盛大に披露。楽曲同様、古き良き時代と現代がシームレスとなるファンタスティックな作品です。

　最初はためらいながらも、自由に自己表現するバティステにつられて、徐々にステップを踏みはじめるナチュラルな可愛らしさが印象的なこの女性は、2019年より活動する人気急上昇中のモデル / 女優のShauna Harleyです。Harleyは日本でも人気の海外ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』のスピンオフ作品として2021年より放送がスタートした『Law & Order: Organized Crime』にもPilar Wheatley役で出演しています。