3月18日に発売されたApple「iPad Air(第5世代)」のCMとして公開中の「Election(選挙)」。学級委員選挙に立候補したエマとマックスを主人公にした本CMでは、iPad Airを駆使して、選挙ポスターやお揃いの応援Tシャツ、キャップを競うように作り出し、選挙活動を繰り広げる2人が描かれます。お互いを挑発しあいながら奮闘する2人ですが、投票日当日、壇上にて選ばれたのは、なんとそれまでフォーカスされなかった第3の候補者、ソニア。最後に「Your next computer is not a computer(そのコンピュータは、コンピュータの先を行く)」のフレーズで締めくくられるCMとなっています。
火花を散らす2人をテンポよく描き、最後のオチで唖然とさせるストーリーを効果的に盛り上げている音楽は、アメリカのベテラン兄弟バンド“スパークス”が1974年に発表した3rdアルバム『キモノ・マイ・ハウス』(写真)の1曲目に収録されている「This Town Ain’t Big Enough for the Both of Us」です。スパークスの代表曲として知られ、謎めいた詩をオペラのように歌い上げるスパークスらしい難解な楽曲ですが、「This Town Ain’t Big Enough for the Both of Us(この町は私たちには狭すぎる) And it ain't me who's gonna leave(出ていくのは自分の方じゃない)」という歌詞から、決闘を連想させるナンバーでもあります。CMでも、アニメーション機能を使い、自分よりもイケてる選挙ポスターを作ったマックスに対し、エマの闘志に火がつく場面で、ちょうどオリジナルの楽曲にもある拳銃の発砲音の効果音がぴったりオーバーラップ。ミュージカル調の楽曲と、Appleならではの物語仕立ての映像が見事にマッチしています。