琴線に触れる「愛よおまえは 凍った心とかす」というサビのフレーズが印象的な楽曲が、2019年頃より小糸製作所の企業広告CMに起用されています。
このCMで流れている曲は、
町田義人が歌う「赤い狩人」です。町田は高知県土佐市出身で、フォーク・グループ“
キャッスル&ゲイツ”やグループ・サウンズ“
ズー・ニー・ヴー”で活躍した後、ソロ・シンガーへ。1978年に発表した「赤い狩人」は、日本初の動物ドキュメンタリー映画として国民的ヒットとなった映画『
キタキツネ物語』の主題歌として広く知られるところとなりました。『キタキツネ物語』は当時230万超の観客動員を記録し、翌年のTV放映では視聴率44.7%を叩き出すなど、伝説的な映画として語り継がれ、その後の『
南極物語』『
子猫物語』などの動物ドキュメンタリー映画の先駆けといえる作品となりました。「赤い狩人」は『キタキツネ物語』の音楽を担当していた
ゴダイゴの
タケカワユキヒデが作曲、
ミッキー吉野が編曲を手掛けています。
町田は「赤い狩人」をリリースした翌月に「戦士の休息」を発表。こちらは
高倉健主演、
薬師丸ひろ子のデビュー作となった映画『
野性の証明』の主題歌としてヒット。当時の町田は、ニット帽にサングラス姿のいかつい風貌が印象的でした。
そのほか、
郷ひろみがメインキャストで出演したホームコメディ・ドラマ『
ムー』の挿入歌「裏町マリア」や、TVアニメ『
宝島』の主題歌「
宝島」、アニメ映画『
サイボーグ009 超銀河伝説』主題歌「10億光年の愛」などタイアップ曲も多く、おもしろいところでは、
ビートたけし、
明石家さんまらが出演し一世を風靡したバラエティ番組
『オレたちひょうきん族』のメインコーナー「タケちゃんマン」の挿入歌となった「タケちゃんマンロボのテーマ 愛より強く」を歌っていました。
「赤い狩人」をはじめ、「戦士の休息」「宝島」「10億光年の愛」などは、2006年リリースの『
町田義人 スーパー・ベスト』(写真)などに収録されています。
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