早いもので2023年もあとわずかとなりました。さまざまなアーティストの楽曲がシーンを賑わせた2023年の傾向を、シングルチャートから振り返ってみましょう。音楽の聴き方も多様化して久しくなり、絶対的な基準のランキングは存在しないに等しいですが、ここではオリコン週間合算シングルランキング(CDの売上枚数・デジタルダウンロードのダウンロード数・ストリーミングの再生数を合計した音楽ランキング)をもとに見ていくことにします。対象期間は2023年1月2日〜2023年12月17日の50週です。
週間合算シングルチャートにおいて、以前から圧倒的にチャートを席巻しているのが旧ジャニーズ勢。
King & Prince、
SixTONES、
Sexy Zone、
なにわ男子がそれぞれ3回1位に輝き、
亀梨和也のソロ「
Cross」を含む旧ジャニーズ勢だけで、50週のうち22回1位を獲得しています。それに続くのが“48”グループや“坂道”シリーズ勢。
乃木坂46、
櫻坂46が3回、
日向坂46、
AKB48が2回、それぞれ1位を記録しています。
ただ、2週以上“連続”で1位となったシングルはなく、複数回1位となったのは、1月第1週と2月第4週で2度1位となった
NewJeans「NewJeans‘OMG’」のみ。それだけ目まぐるしくヒット曲が入れ替わったことになりますが、1位だけではなくトップ3まで範囲を広げてみると、少しずつ2023年の傾向が見えてきそうです。
“NewJeansおじさん(ニュジおじ)”なる存在が良くも悪くもトピックにもなるなど話題を振りまいたNewJeansは、2023年1月第1週、つまり2023年の最初のシングルチャートにて「NewJeans‘OMG’」が1位となると、同シングルがトップ3に8回ランクイン。K-POP勢はNewJeans、
INIが2回、
LE SSERAFIM、
NCT DREAMが1回、それぞれ1位となっていますが、トップ3となるとのべ23曲がランクインしており、これは“48”グループや“坂道”シリーズ勢ののべ18曲を上回る数で、K-POP人気を裏付けているといえます。
“ヒゲダン”こと
Official髭男dismの「Subtitle」は、トップ3に5回ランクイン。同曲は
川口春奈と
目黒蓮(
Snow Man)が共演したドラマ『
silent』の主題歌として人気を博しました。
BE:FIRSTは各種音楽チャートで116冠(!)を達成した「
Mainstream」の2回を含む3曲で4回トップ3入りしました。
全体的にグループやユニットが多く占めているなかで、ソロとして上位を賑わせたのは、
米津玄師「
KICK BACK」「
地球儀」、
キタニタツヤ「
青のすみか」など。キタニタツヤは人気アニメ『
呪術廻戦 懐玉・玉折』オープニング・テーマに起用された「青のすみか」がヒットし、大晦日の『NHK紅白歌合戦』初出場を手繰り寄せています。
また、バンド系アーティストでは、前述のOfficial髭男dismに加えて、
B'zが「
STARS」で1位を獲得し、レジェンドバンドとしての貫禄を見せるほか、
BUMP OF CHICKENが「
SOUVENIR」で、
スピッツが「
美しい鰭」で、
King Gnuが「
SPECIALZ」でトップ3にランクイン。オオカミバンド“マンウィズ”こと
MAN WITH A MISSIONは
miletとのコラボレーション・シングル「
絆ノ奇跡 / コイコガレ」で3回トップ3入り。アニメ『
「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』主題歌となった「絆ノ奇跡」「コイコガレ」ともに『NHK紅白歌合戦』で披露することが決定しています。
そして、2023年を象徴する楽曲といえるのは、
YOASOBIの「
アイドル」(写真)と
Adoの「唱」ではないでしょうか。どちらも週間合算シングルチャートでの1位は1回きりですが、トップ3となると「アイドル」は21回、「唱」は13回もランクイン。YOASOBIの「アイドル」は4月第3週に3位となると、5月第3週で1位を獲得し、7月第3週まで14週連続でトップ3に。その後も10月第5週の2位まで上位を席巻しました。SNSなどでの“歌ってみた”系動画やカヴァーのほか、人気曲のバロメーターの一つともいえる夏の甲子園などの応援曲としても「アイドル」は頻繁に使われていました。YOASOBIは「
勇者」でもトップ3入りを果たしています。
その「アイドル」と入れ替わるようにチャートを賑わせたのがAdoの「唱」。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のダンスショー「ゾンビ・デ・ダンス」の主題歌に起用され、こちらもSNSほかアーティストたちを含む“踊ってみた”系動画など一躍人気曲となりました。9月第週にトップ3入りすると、10月第5週で1位を獲得。ちなみに、10月は第1週、2週、5週の3週で「唱」「アイドル」がトップ3にランクイン。「唱」は12月第2週まで13週連続でトップ3入り。Adoは『ベストアーティスト2023』『2023 FNS歌謡祭』といったTV音楽番組にて“シルエット”ながらもパフォーマンスを披露したことも話題となりました。『NHK紅白歌合戦』でのパフォーマンスも大いに注目となりそうです。
[2023年 オリコン週間合算シングルランキング(2023年1月2日〜2023年12月17日)]01月1週 NewJeans 「NewJeans ‘OMG’」
01月2週 LIL LEAGUE from EXILE TRIBE 「Hunter」
01月3週 KinKi Kids 「The Story of Us」
01月4週 LE SSERAFIM 「FEARLESS」
01月5週 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE 「STARS」
02月1週 NCT DREAM 「Best Friend Ever」
02月2週 櫻坂46 「桜月」
02月3週 King & Prince 「Life goes on / We are young」
02月4週 NewJeans 「NewJeans ‘OMG’」
03月1週 なにわ男子 「Special Kiss」
03月2週 Snow Man 「タペストリー / W」
03月3週 BiSH 「Bye-Bye Show」
03月4週 乃木坂46 「人は夢を二度見る」
04月1週 JO1 「TROPICAL NIGHT (Tiger)」
04月2週 SixTONES 「ABARERO」
04月3週 日向坂46 「One choice」
04月4週 AKB48 「どうしても君が好きだ」
05月1週 Sexy Zone 「Cream」
05月2週 関ジャニ∞ 「未完成」
05月3週 YOASOBI 「アイドル」
05月4週 INI 「DROP That (FANFARE)」
05月5週 Hey!Say!JUMP 「DEAR MY LOVER / ウラオモテ」
06月1週 ジャニーズWEST 「しあわせの花」
06月2週 SixTONES 「こっから」
06月3週 King & Prince 「なにもの」
06月4週 櫻坂46 「Start over!」
07月1週 SKE48 「好きになっちゃった」
07月2週 B'z 「STARS」
07月3週 =LOVE 「ナツマトぺ」
07月4週 日向坂46 「Am I ready?」
07月5週 THE RAMPAGE from EXILE TRIBE 「Summer Riot ~熱帯夜~ / Everest」
08月1週 関ジャニ∞ 「オオカミと彗星」
08月2週 亀梨和也 「Cross」
08月3週 乃木坂46 「おひとりさま天国」
08月4週 SixTONES 「CREAK」
09月1週 Snow Man 「Dangerholic」
08月2週 なにわ男子 「Make Up Day / Missing」
09月3週 Sexy Zone 「本音と建前」
09月4週 AKB48 「アイドルなんかじゃなかったら」
10月1週 NMB48 「渚サイコー!」
10月2週 INI 「TAG ME (HANA_花)」
10月3週 櫻坂46 「承認欲求」
10月4週 ジャニーズWEST 「絶体絶命 / Beautiful / AS ONE」
10月5週 Ado 「唱」
11月1週 King & Prince 「愛し生きること / MAGIC WORD」
11月2週 なにわ男子 「I Wish」
11月3週 NEWS 「ギフテッド」
11月4週 =LOVE 「ラストノートしか知らない」
12月1週 乃木坂46 「Monopoly」
12月2週 Sexy Zone 「人生遊戯」※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。