『ミッドナイト』は、手塚治虫が1986年〜1987年に週刊少年チャンピオンで発表した、最後の週刊誌連載作品で、深夜の街を走るタクシードライバーを主人公に、奇妙な乗客たちとの出会いを描いたサスペンスタッチのヒューマン・ドラマ。隠れた名作としても知られる本作を、今回、APPLEがiPhoneのみを使って写真や映像を撮影するキャンペーン「iPhoneで撮影 ー Shot on iPhone」の一環として実写化。監督には三池崇史を迎えたほか、主人公・ミッドナイト役に賀来賢人、ミッドナイトが出会う若いトラック運転手・カエデ役に加藤小夏、殺し屋役に小澤征悦をキャスティングし、19分という見ごたえのあるショートフィルムに仕上げています。都心の深い時間、闇に滲むように映し出される雑踏や電飾を背景に、豪華俳優陣によるダイナミックなアクションや表情が魅了し、とてもiPhoneで撮影されたとは思えない完成度。手ブレのない“アクションモード”や背景を美しくぼかし被写体にフォーカスする“シネマティックモード”など、カメラ機能を充分にアピールしている動画となっています。
この動画のエンドロールで使われているのは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」です。2003年に『SABRINA HEAVEN』と対をなす形で発表されたミニ・アルバム『SABRINA NO HEAVEN』(写真)に収録されている楽曲で、同年6月27日のMステ出演時に、同じく出演者のt.A.T.u.が本番前に出演放棄するというトラブルに見舞われた際、その穴埋めとして急遽披露した逸話はあまりにも有名。スタジオの困惑ムードを吹き飛ばした“伝説の楽曲”として、11月に逝去したヴォーカルのチバユウスケへの追悼の意を込めて昨年末に放送されたMステ特番のオープニングにも使用され大きな話題となりました。