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“ハマクラメロディ”の人気曲が知りたい!

浜口庫之助   2024/07/22掲載
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浜口庫之助の人気曲が知りたいので、おしえてください。
 7月22日は流行歌を次々と放った戦後最大のヒットメイカーのひとり、“ハマクラ”の愛称で親しまれたシンガー・ソングライター / 作詞・作曲家の浜口庫之助の誕生日です(1917年生まれ)。日本の歌詞に西洋音楽のリズムやメロディを融合させ、お茶の間にポップな楽曲を送り込み、日本の歌謡シーンにフレッシュな息吹をもたらしました。そんな浜口の誕生日にちなみ、数多くのヒット曲、人気曲のなかから、いくつか“ハマクラメロディ”を紹介しましょう。

 ちなみに、作詞・作曲家の印象が強い浜口ですが、戦後に進駐軍に演奏を行なった後、スウィング・サーフライダーズやアフロクバーノといったバンドを結成。1953年から1955年までは“浜口庫之助とアフロ・クバーノ”として3年連続で『NHK紅白歌合戦』にも出場しています。

 バンド解散、歌手活動をやめた後に作詞・作曲家へ転向し、最初のヒット曲となったといえるのが、1959年に女性3人組コーラス・グループのスリー・キャッツが歌った「黄色いさくらんぼ」です。映画『体当りすれすれ娘』の主題歌として作られたこの曲は、同年の最大のヒットを記録。“ウッフン”という吐息混じりの声も採り入れた健康的な“お色気歌謡”として人気を集めましたが、当時NHKはその“ウッフン”を卑猥として放送禁止に。日本レコード大賞候補にもなりましたが、大賞は逃すことになりました。のちに、ゴールデン・ハーフやシェイプUPガールズなどにもカヴァーされています。

 同年には守屋浩が歌った「僕は泣いちっち」がヒット。守屋の代表曲となり翌年には同名映画も製作されました。志村けんが人気TV番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』にて“ばあさん”に扮したコントの際に、その一節を歌っていたのを覚えている方もいるのではないでしょうか。

 1965年には坂本九和田弘とマヒナスターズをはじめ、多くのアーティストが歌った「涙くんさよなら」、田代美代子&和田弘とマヒナスターズ「愛して愛して愛しちゃったのよ」を手掛け、翌年には西郷輝彦の「星のフラメンコ」、マイク真木の「バラが咲いた」で日本レコード大賞の作曲賞を受賞しています。

 以降、石原裕次郎の「夜霧よ今夜も有難う」、伊東きよ子植木等などが歌った「花と小父さん」、にしきのあきら(錦野旦)最大のヒット曲「空に太陽がある限り」、石原裕次郎の「恋の町札幌」と、ヒット曲を送り続けました。80年代も1987年に島倉千代子の「人生いろいろ」を作曲。山田邦子コロッケがものまねで歌ったこともあってさらに名を広め、島倉の最大のヒットかつ代表曲として、長く親しまれています。

 また、CMでも“ハマクラメロディ”が登場。ロッテ・チョコレートの「小さな瞳」をはじめ、トヨタ・カローラの「私のカローラ」「いとしのカローラ」、小柳ルミ子剛力彩芽が歌った「ヤクルト・ジョアのうた」、江崎グリコ「プッチンプリン」などの数多くのCMソングを手掛け、一部は自らも歌唱しています。

 そんな日本の昭和歌謡史に名を刻み、時代を経ても記憶に残る楽曲を手掛けてきた浜口の半生を扱った特集や作品も少なくありません。2017年末の『NHK紅白歌合戦』にて、特別企画として有村架純主演の連続テレビ小説『ひよっこ』の紅白特別編が催された際に、『ひよっこ』の主題歌「若い広場」を担当した桑田佳祐が浜口庫之助役で有村ほか同ドラマ出演者と「涙くんさよなら」を歌唱した、印象深い場面となりました。

 1990年12月2日に73歳で人生を終えましたが、浜口が生み出した“ハマクラメロディ”は、いまもなお日本の世相を映す鏡として心に響き、多くの人々たちに長く愛されています。

(写真は、2017年7月リリースの『ハマクラの音楽いろいろ-浜口庫之助・生誕100年記念企画-』)
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