1935年に
エルヴィス・プレスリー、1947年に
デヴィッド・ボウイというロック・シーンに偉大な功績を遺した米英のビッグスターが誕生しましたが、ともに1月8日生まれだったことから、語呂合わせにちなんだ6月9日と同様に、1月8日は「ロックの日」となっています。
アメリカ・テネシー州出身のエルヴィス・プレスリーは、総売り上げは5億枚超とされ、ギネス・ワールド・レコーズでは「史上最も成功したソロ・アーティスト」として認定されているミュージシャンで、“キング・オブ・ロックンロール”と称されていることは、多くの方がご存じでしょう。「ハートブレイク・ホテル」「ハウンド・ドッグ」「ラヴ・ミー・テンダー」「恋にしびれて」「監獄ロック」など全米1位シングルは18曲を数え、これは
ビートルズの20曲、
マライア・キャリーの19曲に次いで歴代3位の記録となっています。ロックンロール、カントリー、ゴスペル・ミュージックと3部門の殿堂入りを果たした初のアーティストで、グラミー賞ではゴスペル部門で受賞するなど、ロックンロールの枠に収まらない活躍をみせましたが、1977年8月16日に42歳という若い年齢で亡くなってしまったのが残念です。
ヒット曲は枚挙にいとまがなく、たとえば、惜しくも全米2位(全英1位)となった「好きにならずにいられない」は、多くのアーティストのカヴァーを生んだほか、日本においてもドラマやCMほかさまざまな場面で使われるなど、いまなお人々の心に刻まれ、歌い継がれている名曲のひとつとなっています。
イギリス・ブリクストン出身のデヴィッド・ボウイは、アメリカのポピュラー・ミュージックやロック、モダンジャズなど幅広い音楽に興味を抱きながら育ち、1967年に『デヴィッド・ボウイ』でアルバム・デビュー。グラム・ロックのパイオニア的存在として名を馳せると、その後は世界的なミュージシャンとして名を馳せました。“ジギー・スターダスト”などの架空のキャラクターを名乗ったり、80年代にはプロデューサーに
ナイル・ロジャースを起用してキャリア最大のヒットをもたらしたアルバム『
レッツ・ダンス』(写真)で豪華絢爛な印象を与えたかと思えば、ロック・バンド“ティン・マシーン”を率いてシンプルな作風へ移行するなど、さまざまな実験的なチャレンジを重ねながら、従来にないスター像を築き上げてきました。世界的な発信力を誇るイギリスのメディア『NME』(『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』)においては、「史上最も影響力のあるアーティスト」にも選出されています。
ボウイはミュージシャンにとどまらず、俳優としても数々の作品に出演。なかでも
大島渚監督映画『
戦場のメリークリスマス』では英国陸軍少佐ジャック・セリアズ役を演じ、
ビートたけしや
坂本龍一らと名シーンを展開しました。そのほか、『
ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』ではFBI捜査官のフィリップ・ジェフリーズ役、『
バスキア』ではアンディ・ウォーホル役など、印象的な役柄を演じています。
また、親日家としても知られ、ジギー・スターダストなどの衣装を手掛けたデザイナーの
山本寛斎はじめ、多くの日本人とも交流。来日公演はもちろん、バラエティ番組やCMにも出演しました。2016年1月8日の69歳の誕生日にアルバム『
ブラックスター』リリース直後の1月10日に死去の一報が飛び込んできた際には、驚きを隠せなかった人も少なくなかったでしょう。
奇しくも偉大なるスーパースターが誕生した1月8日。2人に想いを馳せながら、音楽史に計り知れない功績と影響を与えたプレスリーとボウイの音楽を聴く一日にしてみてはいかがでしょうか。
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