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ルックバック〜1月17日誕生のアーティスト

平井堅   2025/01/17掲載
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アーティストや歌手が多く生まれた日をいくつかおしえてください。
 1月17日といえば、まず思い出されるのが、30年前の1995年に発生した阪神・淡路大震災です。マグニチュード7.2の大地震により、兵庫を中心に壊滅的なダメージを受けた街並みの映像が今なお脳裏に焼き付いている方も少なくないでしょう。ボランティア活動が大きな力となり、復興への第一歩となったことから、1月17日は災害への備えとともにボランティアの大切さを認識する日として「防災とボランティアの日」に制定されています。

 少しさかのぼって、1991年の1月17日には、アメリカを中心とした多国籍軍がクウェートを占領したイラクへ空爆を開始して、湾岸戦争が勃発しました。多国籍軍が撃ち込むミサイルの光が真っ暗な夜の空に走る映像も衝撃的でした。

 そんな歴史の1ページに大きく刻まれる事柄が少なくない1月17日には、偉大なアーティストたちが数多く生まれていますが、そのなかから特に著名なアーティストを中心に紹介していきましょう。

 1929年に誕生したのが、村田英雄。浪曲で鍛え上げた歌声で若手浪曲師として注目された後、古賀政男に見出されて歌手へ転身。「無法松の一生」をはじめ、「王将」「人生劇場」などのヒットを放ち、戦後歌謡界の黄金期を牽引しました。

 1943年には、宮史郎が誕生。兄・宮五郎、並木ひろしと“ぴんからトリオ”を結成し、1972年に宮史郎とぴんからトリオ名義で発表したデビュー曲「女のみち」は、1972年と翌73年のオリコン年間シングルセールス1位を記録。2年連続での年間シングルセールス1位は「女のみち」のみで、同シングルセールスは「およげ!たいやきくん」に次ぐ売上歴代2位という歴史的な楽曲となりました。

 1952年には“教授”“世界のサカモト”こと坂本龍一が誕生。細野晴臣高橋幸宏とのイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)で80年代のテクノ / ニューウェイヴのムーヴメントを牽引し、ソロ活動や作曲家としても活躍。俳優としても出演した映画『戦場のメリークリスマス』の映画音楽で日本人初の英国アカデミー賞作曲賞を、1987年公開映画『ラストエンペラー』では日本人初のアカデミー作曲賞をはじめ、グラミー賞最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞などの世界的な音楽賞を次々と受賞しました。当初はCMソングのために作った「energy flow」は、好評を得て「ウラBTTB」としてシングル化。インストゥルメンタルのシングルとしては初めてオリコン週間1位となりました。そのほか、忌野清志郎と派手なメイクで話題となった「い・け・な・い ルージュマジック」や、お笑いコンビ“ダウンタウン”の変名ユニット、GEISHA GIRLSに参加し「Grandma Is Still Alive」「少年」などを楽曲提供するなど、枠にとらわれない多彩な活動で各シーンを沸かせました。

 1959年には森昌子桜田淳子とともに“花の中三トリオ”と呼ばれた山口百恵が誕生しました。1974年の5枚目のシングル「ひと夏の経験」で初のシングルチャートトップ3入りを果たすと、「横須賀ストーリー」「イミテイション・ゴールド」「秋桜」「プレイバックPart2」などヒットを連発。国鉄(のちにJRへ移行)のキャンペーン・ソングとして制作「いい日旅立ち」は、佳曲ゆえ数多くのアーティストがカヴァー。2007年に「日本の歌百選」に選定され、音楽の教科書にも載るなど、いまなおさまざまな場面で愛される楽曲となりました。

 1961年には、泰葉が誕生。タレントとしてのイメージが強い彼女ですが、デビューはシンガー・ソングライターとしてでした。1981年にリリースされたデビュー曲「フライディ・チャイナタウン」は、発売当初こそ振るわなかったものの、のちのシティポップ・リヴァイヴァルで再評価され、Night Tempoをはじめ、多くのアーティストがカヴァーやリメイク、リミックスなどを制作。国内外で人気曲となりました。ちなみに、タイトルの“フライディ”は金曜(Friday)ではなく、“Fly-Day” という造語です。

 1972年に誕生したのが、シンガー・ソングライターの平井堅松本幸四郎(九代目 / 二代目松本白鸚)や山口智子らが出演したドラマ『王様のレストラン』の主題歌「Precious Junk」で1995年にメジャー・デビューを果たしました。当初はなかなかヒット曲が生まれず、メジャー契約打ち切り寸前となった2000年に8枚目のシングル「楽園」でブレイク。「even if」「KISS OF LIFE」などのヒットを経て、2002年に「大きな古時計」で初のシングル1位を獲得しました。同曲は翌年春の第75回選抜高等学校野球大会開会式の入場行進曲にも選ばれるなど、R&Bシンガーの平井がポップフィールドへと羽ばたいた一曲にもなりました。

 以降も“セカチュー”こと映画『世界の中心で、愛をさけぶ』主題歌の「瞳をとじて」や「思いがかさなるその前に…」、伊東美咲森山未來主演の“月9”ドラマ『危険なアネキ』主題歌として書き下ろした「POP STAR」、安室奈美恵をフィーチャーした「グロテスク」など、話題性の高いヒット曲を連発。男性ソロアーティスト歴代1位となる通算4作がアルバム・ミリオンを突破するなど、日本を代表するトップシンガーとしてその地位を築いています。

 ちなみに、海外でも、元ローリング・ストーンズのギタリストのミック・テイラー(1948年)をはじめ、フランス・パリ出身の国際的ピアニストとして著名なアンヌ・ケフェレック(1948年)、ホール&オーツのカヴァー「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ」で全米1位を獲得したポール・ヤング(1956年)、イタリア・ジェノヴァ生まれの世界的な指揮者のファビオ・ルイージ(1959年)、イギリスの著名DJ専門誌『DJマガジン』で“世界ナンバー1のDJ”に選出されたティエスト(1969年)やテクノ・シーンの鬼才として知られるスクエアプッシャー(1975年)、YouTube総再生100億回超、米経済誌『フォーブス』誌の“世界で最も稼ぐDJ”ランキングで2013年から6年連続1位に輝いた世界的プロデューサー / DJのカルヴィン・ハリス(1984年)などのビッグネームが1月17日に誕生しています。

(写真は、2017年リリースの平井堅のベスト・アルバム『Ken Hirai Singles Best Collection 歌バカ2』)
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