国民的学園ドラマ『3年B組金八先生』にレギュラー出演を経て、1980年に歌手デビューを果たして以来、トップアイドルとして絶大なる人気を博した“トシちゃん”こと
田原俊彦は、2月28日がバースデー(1961年生まれ)。その誕生日にちなんで、数々のヒット曲を放ってきた田原のシングルトップ10(オリコンシングルランキング)を、カウントダウン方式で紹介したいと思います。
10位は「NINJIN娘」で、1982年に10thシングルとしてリリースされました。キッズ番組『ひらけ!ポンキッキ』の“今月の歌”にフィーチャーされ、同番組に登場した
なぎら健壱歌唱の楽曲「いっぽんでもニンジン」のフレーズを引用したことでも話題に。最高2位を記録しました。
9位は「君に薔薇薔薇…という感じ」で、1982年に8thのシングルとしてリリース。作詞を三浦徳子、作曲を
筒美京平が手掛け、最高3位を記録。音楽番組では曲名の“薔薇薔薇”にかけて、胴体が“バラバラ”に分かれるマジック演出をしたこともありました。
8位は「悲しみ2ヤング」で、1981年に6thシングルとしてリリース。“こんなはずじゃ なかったよね”から始まるバラード調から一転、畳みかけるようなドラムから疾走していく曲調は、非常にインパクトがありました。自身が出演したグリコ「アーモンドチョコレート」のCMソングにも起用され、最高2位を記録しました。
7位は「誘惑スレスレ」で、1982年に11thシングルとしてリリースされました。男はハート、女はノリだよ(どちらも顔じゃない)と高らかに言い放ち、“やったぜ よろしく”と歌う姿が痛快。曲中の“愛しているのさ 好きだよ”のセリフに声を上げた女性ファンも多かったのではないでしょうか。最高1位で、日本レコード大賞・金賞などにも輝きました。
6位は「原宿キッス」で、1982年に9thシングルとしてリリース。多くのトシちゃん楽曲を手掛けた宮下智が作詞を、筒美京平が作曲を担当し、最高1位となりました。原宿を舞台に、待ち伏せし、あとをつけて、好きだと言い、ダメなら唇を奪うという(今だと問題になりそうな?)大胆なナンパ・ストーリーを描いています。
5位は「ブギ浮ぎI LOVE YOU」で、1981年に4thシングルとして発表。自身が出演した小西六写真工業のカメラフィルム「サクラカラー」のCMソングにも起用され、“笑うしかない”と歌ったあとの“HA HA HA HA HA”という笑い声は、ものまねタレントのネタにもなったようです。最高2位を獲得。
4位は「グッドラックLOVE」で、1981年に7thシングルとして発表されました。自身が主演し、
近藤真彦、
野村義男との“たのきんトリオ”映画シリーズ『グッドラックLOVE』の主題歌で、最高3位を記録。日本レコード大賞のゴールデンアイドル賞も受賞しました。
さて、シングルセールストップ3ですが、ここからは一気に紹介していきましょう。3位は「恋=Do!」、2位が「ハッとして!Good」、そして栄えある1位は「哀愁でいと」となります。
「恋=Do!」は1981年に3rdシングルとしてリリースされ、最高1位を記録。田原の特色の一つである軽快なダンスを繰り広げる楽曲で、サビのフレーズにて上下で腕を小刻みに振る振り付けも印象的でした。「ハッとして!Good」は1980年発表の2ndシングルで、自身初めての1位に輝きました。グリコ「アーモンドチョコレート」「セシルチョコレート」のCMソングに起用され、田原と松田聖子という当時のトップアイドル同士の共演による甘酸っぱい青春ストーリーを描いたCMも大いに話題に。また、同曲で日本レコード大賞ほか各賞の新人賞も獲得しました。
トップセールスとなった「哀愁でいと」は、1980年に田原の記念すべきデビュー・シングルとして発表され、最高2位を記録。シングルチャート年間10位とヒットし、“たのきんトリオ”出演のドラマ『ただいま放課後』の挿入歌にも使われました。オリジナルは、特にヨーロッパやオーストラリアで人気を博し、日本でも「ダンスに夢中」(I Was Made for Dancin')などをヒットさせたアメリカ人シンガー / 俳優の
レイフ・ギャレットが歌う「ニューヨーク・シティ・ナイズ」(New York City Nights)で、当初はギャレットのシングル「フィール・ザ・ニード」(Feel the Need)のB面曲として発表されました。ですが、その後田原のヒットを受け、A面とB面を替えてプロモーションしたほか、シングルを再発してオリコンチャートにもランクイン(最高56位)するなど、こちらも人気となりました。
トップ3は、デビュー・シングルから3rdまでが占める結果となりましたが、デビュー当初の勢いがデータにも表われているともいえます。現役シンガーとして、2024年の「
愛だけがあればいい」まで75枚のシングルを発表。シングルセールストップ10には入らなかったものの、「ピエロ」「シャワーな気分」「さらば‥夏」「エル・オー・ヴイ・愛・N・G」「騎士道」「顔に書いた恋愛小説」「華麗なる賭け」「ごめんよ 涙」がシングル1位を記録するほか、自身が熱血教師・徳川龍之介を演じ、最高視聴率24.9%をマークしたドラマ『教師びんびん物語』の主題歌に起用された「抱きしめてTONIGHT」や、
研ナオコと“Toshi & Naoko”名義で発表した「夏ざかりほの字組」など、ヒットと同時に記憶に残る楽曲も放ってきました。特に80年代は日本の歌謡ポップ・シーンに多くのヒット曲を送り込み、いまなお長く親しまれ、愛聴されています。
田原のシングル曲は、『
オリジナル・シングル・コレクション1980-2021』『
35TH ANNIVERSARY ALL SINGLES BEST 1980-2014』(写真)といったシングル集や『
プラチナムベスト 田原俊彦 ベスト』『
30th Anniversary BEST』などのベスト盤で、一気に楽しむことができます。