1月から12月まで、それぞれの月を曲のタイトルにしているものは数多くあり、たとえば、“9月”にまつわる曲名というと、アース・ウィンド&ファイアの代表曲の一つで、日本でもヒットした「セプテンバー」を頭に浮かべる人も多いと思いますが、さて“10月”を冠した楽曲となると、何が思い浮かぶでしょうか。
まず、シンプルに“10月”という曲名では、
THE BOOM「10月」や“ブッチャーズ”の通称で親しまれたロック・バンド、
bloodthirsty butchersの「10月/October」が挙げられます。この11月に東京発の男女4人組バンド“
初恋モーテル”がリリースする1stフル・アルバム『
ピース オブ キッチン』にも「10月」という楽曲が収められています。
英語で10月を意味する“October”を用いた楽曲で知名度が高いものといえば、
さだまさしの「October 〜リリー・カサブランカ〜」でしょうか。91年のアルバム『
家族の肖像』に収録され、ベスト盤『
天晴 〜オールタイム・ベスト』の選曲のために行なわれたリスナーの人気投票「さだまさし国民投票」では、500超の楽曲のなかから第13位という上位にランクインした、さだファンお墨付きといえる愛聴曲です。
『テニスの王子様』のキャラクター、跡部景吾にも「October」と名の付く楽曲が。同曲が収録された2003年のデビュー・アルバム『
破滅への輪舞曲』は、5年後に『
破滅への輪舞曲・改(RETURNS)』としてリニューアルして発売されるなど“テニプリ”キャラクター・ソングの人気の高さもうかがえました。東京・八王子出身のロック・バンド、
ハルカミライには「October's」という曲もあります。
そして、10月を強くイメージさせる“雨”にまつわる曲名も。
松山千春「10月・雨」をはじめ、
中山優馬、
山田涼介、
知念侑李によるユニット“
NYC”の「十月の雨シズク」や
オトナモード「十月の雨」、
中森明菜「October Storm-十月の嵐-」などが挙げられます。
岩崎良美「10月のフォト・メール」や
秋元康夫人となった
高井麻巳子の「十月の旅人」、
スターダスト☆レビュー「10月のパノラマ」といった“旅情”に関するものも含め、秋という季節を表わした10月らしいタイトルも少なくありません。英語圏では日本の小春日和にあたる時期を“インディアン・サマー”と呼びますが、米R&Bデュオの
マクファデン&ホワイトヘッド「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ」を大胆に採り入れた楽曲「ワナダンス!」でも知られる“トマパイ”こと
Tomato n' Pineには「10月のインディアン」という楽曲も。その一方で、
浅香唯「10月のクリスマス」や
所ジョージ「10月は、もう11月」といった、ちょっと“気が早い”心情の楽曲も見受けられます。
また、10月の異名は“神無月”といいますが、
井上陽水が1972年に発表したアルバム『
陽水II センチメンタル』には「神無月にかこまれて」を収録(井上陽水、神無月という言葉が並ぶと、別の“
神奈月”[モノマネの方]が頭に浮かびそうですが)。
マキシマム ザ ホルモンの『
糞盤』という刺激的なタイトルのアルバムには、「生理痛は神無月を凍らす気温。」という“らしい”楽曲も収められています。
その“神無月”は、島根・出雲地方ではこの月に全国から神が集まるという俗説から“神在月”と呼ぶこともありますが、2003年に「鳥取砂丘」でブレイクして以来“ご当地ソングの女王”の名で馳せている
水森かおりは、「神在月」という楽曲でしっかりと出雲の地の物語を歌っています。
最近では、
欅坂46(現・櫻坂46)のベスト・アルバム『
永遠より長い一瞬 〜あの頃、確かに存在した私たち〜』の初回仕様限定盤(豪華版)
TYPE-A(写真)に未発表曲のうちの1曲として収録された「10月のプールに飛び込んだ」や、“悲しみをたべて育つバンド。”をコンセプトとした男女混成バンド“あたらよ”の初のオリジナル曲で、YouTubeやSNSを中心に反響を呼び、バイラルチャートなどを席巻している「10月無口な君を忘れる」、ヴィジュアル系ロック・バンドの
ザアザアが10月にリリースしたフル・アルバム『
失敗作』に収められた「10月5日月曜日、バラバラ」などが、10月にまつわるタイトルの楽曲を発表しています。
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