1980年代に、グリーンのロングシャツとホワイトのハーフパンツ姿の女性がヨットハーバーを自転車で走るシーンとともに、「モーニングライフ(ライト?)、さわやかな風に会える街〜」と歌う爽快なポップスが流れるエスエス製薬の便秘治療薬「スルーラック」のTV-CM。当時リアルでTVを見ていた世代にとっては、印象深いCMの一つだったようです。便秘薬のCMということからか、大正製薬「コーラック」のCMと間違えて思い込んでいた人も少なくないのかもしれません。
このCMに出演している自転車に乗っている女性は、モデルやタレントとして活動していた松尾享子です。当時、雑誌やCMでのモデル活動を中心に、バラエティ番組にもアシスタントとして出演していましたが、その後芸能活動から離れています。
また、CMソングはオリジナル楽曲で、歌っているのはシンガー・ソングライターの
庄野真代です。庄野は1976年にデビュー。
渡辺真知子や
中原理恵らのニューミュージック歌謡系のシンガーとして注目され、1978年に「
飛んでイスタンブール」が大ヒットし、年末の『紅白歌合戦』へ初出場を果たしました。同曲のヒットにあやかったような、ヨーロッパ地名タイトルを冠した「
モンテカルロで乾杯」もヒットしました。
近年は、音楽活動のほか執筆、社会貢献活動、大学講師として教壇に立つなど、多岐にわたって活躍。2020年には新録アルバム『
66』を、翌2021年には『
デビュー45周年記念 MAYO BOX〜Nippon Columbia Days〜』(写真)を発表。2010年代以降より顕著となったシティ・ポップ・ムーヴメントや日本の歌謡曲 / ニューミュージックへの再評価の波もあり、2022年には「CITY POP Selections」として1987年発表の12枚目のアルバム『
EID-UL=FITR』が再発されるなど、あらためて庄野の楽曲へ耳目が集まっています。
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