2月14日は国民的行事となっているバレンタインデーではありますが、ロックフリークにとっては、結成以来半世紀を超えてトップ・シーンを走り続ける世界最高峰のロック・レジェンド、
ザ・ローリング・ストーンズ(以下ストーンズ)が初来日公演を果たしたというメモリアルな日でもあります。
35年前、アルバム『
スティール・ホイールズ』を携えたワールド・ツアーの一環として、2月14日から東京ドーム10デイズ(2月14日、16〜17日、19〜21日、23〜24日、26〜27日)という他に類を見ない空前の規模で行なわれ、チケットは全公演ソールドアウト。その17年前の1973年には、徹夜組が出るほどの人気チケットとなった日本武道館公演が予定されるも直前になって中止となった“幻の武道館公演”という忌まわしき記憶もあったため、ファンにとっては長年の夢といえる待望の来日でもありました。当時はツアースポンサーの大塚製薬からストーンズロゴ入りパックのポカリスエットが販売され、ツアーの初日の2月14日の公演は翌月にFMラジオで、26日公演は4月に日本テレビ系列でそれぞれオンエアされるなど、日本中にストーンズ旋風が巻き起こりました。
ステージは、イントロの「コンチネンタル・ドリフト」を経た「スタート・ミー・アップ」から幕を開け、「ダイスをころがせ」「ミス・ユー」「ルビー・チューズデイ」「ホンキー・トンク・ウィメン」「無情の世界」「黒くぬれ!」「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」「ブラウン・シュガー」「サティスファクション」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」などのヒット曲や人気曲を演奏。東京ドームを熱狂に次ぐ熱狂で覆いつくしました。
それ以来、ストーンズは、1995年、1998年、2003年、2006年、2014年と計6回の来日公演を開催。特に2003年は、東京ドーム、大阪ドーム、横浜アリーナに加えて、1973年に実現できなかった日本武道館公演を30年越しで開催し、当時幻のチケットを手にしたファンにとっては感慨深いものとなりました。
2006年には札幌ドームとナゴヤドームでも公演が行なわれ、それまでに行なわれていた東京ドーム、大阪ドーム、福岡ドーム公演と合わせて“5大ドーム”公演を制覇しました。2014年の東京ドーム公演は、ウィークデーのみの開催ながらも高額席を含めた全席がソールドアウトとなったため、急遽出演者や舞台が一部見えにくい1万円の“参加席”を販売するなど、衰えない絶対的な人気を証明した形に。事前に公式サイトにて実施した「東京で演奏してほしい曲」のリクエストに応えて「ビッチ」を演奏し、元メンバーの
ミック・テイラーがゲストに登場するなど、興奮のステージとなりました。
ストーンズは、2023年にオリジナル・アルバムとしては18年ぶりとなる『
ハックニー・ダイアモンズ』(写真)をリリース。2025年2月の第67回グラミー賞では同作で最優秀ロック・アルバム賞を受賞し、現役の“ロックンロール・スター”としてその輝きを示しています。