ロック・バンドの
チューリップの中心人物として人気を博し、ソロ・アーティストや俳優としても活躍している
財津和夫は、2月19日が誕生日です。1948年に福岡で生まれ、大学在学中の1969年に
ビートルズを意識した
ザ・フォーシンガーズを結成。2年後の1971年に“チューリップ”へ改名し、翌年に「魔法の黄色い靴」でシングル・デビューを果たしました。バンドと並行してソロ活動も展開し、シンガー・ソングライターとして長く親しまれています。
その財津の誕生日にちなんで、ソロとしての人気曲をいくつか紹介。ロック、ニューミュージック、J-POPシーンに放った多くの良質な楽曲の一部を見ていきましょう。
1978年に発表した「二人だけの夜」は、財津の記念すべきソロとしてのデビュー・シングル。
ポール・マッカートニーを意識したソロ1stアルバム『
宇宙塵』からのシングルカット曲でしたが、セールスはあまり芳しくありませんでした。
ただ、財津自身が詞曲を手掛け、NHKの音楽番組『歌はともだち』にて
ペギー葉山、
南沙織、
森山良子らが歌った「切手のないおくりもの」が反響を呼び、
ボニージャックスをはじめ、多くのアーティストがシングル化。その好評ぶりを受けて、『みんなのうた』では1978年に財津和夫とチューリップとして、1982年に財津和夫のソロとして歌唱。1996年にも再リメイクされるほか、
速水けんたろう、
夏川りみ、
小野リサ、
平井堅、
WANIMAなどさまざまなジャンルのアーティストにカヴァーされる人気曲となりました。
そして、1979年の2ndシングル「Wake Up」がセイコーのCMソングに起用され、大ヒット。オリコンでは最高位3位、年間23位を記録しました。CMでは財津自身も出演し、“Wake Up”と大きく書かれたトレーラートラックの運転席から顔を覗かせるシーンもありました。
3rdシングルの「一枚の絵」、4thシングル「償いの日々」は、ソロとしてのシングルセールス上位の楽曲。「一枚の絵」は
三浦友和が主演したドラマ『しあわせ戦争』の主題歌に起用され、「償いの日々」はのちに
SPANK HAPPYを結成した
原みどりとのデュエット“財津和夫 with 原みどり”名義でリリース。「償いの日々」は呉田軽穂(
松任谷由実)が詞曲を手掛けています。
その後、際立ったヒットはありませんでしたが、1990年に8thシングルとして発表した「Dream With You」がスマッシュヒット。
松本隆が作詞を手掛け、トヨタ「ニュー・カリーナ」のCMソングとしても話題となりました。
1993年には、ソロとしてのシングルセールストップに輝いている「サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜」をリリース。もともと「サボテンの花」は1975年にチューリップのシングルとして発売され、その後、財津が1987年のセルフカヴァー・アルバム『
Z氏の悪い趣味』や翌年のソロ5thシングル「ラブ・ストーリーを君に」のB面(カップリング)などにてセルフカヴァーをしていましたが、1993年版「サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜」は副題のとおり、
江口洋介主演の“月9”ドラマ『
ひとつ屋根の下』の主題歌に起用。同ドラマに江口はじめ、
福山雅治、
酒井法子ら人気キャストが出演し、90年代の全民放ドラマの最高視聴率(37.8%)をたたき出したほか、江口の「そこに愛はあるのかい?」のセリフが流行語にもなるなど、社会現象となったドラマに使われたことで、60万枚超のセールスを記録。オリコンシングル最高7位、同年間47位と「Wake Up」以来のビッグヒットとなりました。
1996年にも14thシングルとして「サボテンの花」をリリース。このヴァージョンは、自身と
原田知世が出演した宝焼酎「純レジェンド」のCMソングにもなりました。そのほか、「サボテンの花」はトヨタやサントリーなどのCMソングに起用され、アーティストの多くがカヴァーを発表するなど、財津の代表曲として広く知られ、名曲として長く歌い継がれています。
これらの楽曲をまとめて楽しむのならば、『
財津和夫の曲たち1〜究極!財津和夫の名曲ここに集結!!ソロベスト〜』(写真)や『
財津和夫ワークス〜40周年を記念して〜』などのベスト・アルバムが一助となりそう。また、財津の提供曲を集めた『
財津和夫の曲たち2〜たくさんのアーティストへの提供曲集〜』では、
松田聖子をはじめ、
中山美穂、
吉田栄作、
岩崎宏美、
ISSA、
平原綾香などへ提供した財津ワークスを聴くことができます。