いつも以上に楽しみな日だ。普段なら二度寝も検討する朝だが、今日はそれを選択しない。家事を一通り終え、11時になるのを待っていた。
二年ほど前に仕事とプライベートで台湾に行ったことがある。そこで出会った人たちは日本語も話せる人が多かった。これは以前も書いたことがある話だが、言葉が通じなくて注文ができず困っていた時に、後ろに並んでいた人が通訳をしてくれたことがある。助けてもらえて嬉しかったし、かっこいいと思った。そんな経験もあって、私も中国語で会話がしたいと前から思っていた。しかし一人で学ぶことは難しそうだと諦めていた。
転機は突然訪れた、と大げさに言うほどのことでもないが、なんてことない普段の会話の中で身内の知り合いに外国語の先生だった人がいることを知った。その人の知り合いに中国語を教えられる人はいないだろうかと尋ねたところ、先生を紹介してもらえることになった。
11時を迎え、先生とビデオ通話を繋いで授業が始まった。「私はあなたを見たことがあります。Negiccoの人ですか?」と言われて少し驚いた。もしかしたら紹介してくれた人から私のことが伝わっていたのかもしれない。それでも既に自分のことを知ってくれていると分かれば気持ちが楽だ。
初めての授業は中国語の特徴や発音のルールなどを習った。一対一の授業なのでわからないことはすぐに確認できるし、間違っている時もすぐに指摘してくれる。ずっとこういう学び方がしてみたかった。一時間の授業はあっという間に終わり、最後に宿題が出された。学生の頃は辛かった宿題。今改めて与えられると懐かしくて、嬉しくも感じた。
勉強はもともと好きだったが、大学を卒業した後はもうたくさんだという気持ちになっていた。しかし語学を始めた今、勉強は楽しいものだと改めて感じている。今年30歳を迎える私が与えられた“宿題”と向き合いながら、他にどんなことがやりたいだろうか、と自分の内側と向き合っている。