まず今回は、2月23日に発表されたばかりの公演プログラムをいち早くお届けします! ……とその前に“ラ・フォル・ジュルネって何?”という方に、このユニークなフェスティバルの特徴をご紹介しておきましょう。
世界に広がるラ・フォル・ジュルネの輪
ラ・フォル・ジュルネ(以下LFJ)は“熱狂の日”という意味。1995年にフランスの港町ナントで誕生したクラシック音楽祭です。これまでのクラシック界の常識を大きく覆すコンセプトに貫かれたLFJは、世界でもっともエキサイティングな音楽祭として大成功を収め、ナントだけでなく世界各地で開催されるようになりました。
ポルトガルのリスボン(2000〜2006年)、スペインのビルバオ(2002年〜)、東京(2005年〜)、ブラジルのリオデジャネイロ(2007年〜)と次々に開催地を広げていったLFJ。なかでも東京の来場者数は2007年に100万人を超え、世界最大級の音楽祭に成長を遂げました。国内ではほかに金沢(2008年〜)、今年は新潟とびわ湖(大津)でも開かれます。
さらに今年はショパンの故郷、ポーランドのワルシャワでもLFJが開催されるとのこと。まさに世界を熱狂に巻き込みながら進化し続ける音楽祭です。
1公演約45分で低料金。ハシゴすべし!
LFJの最大の特徴は、なんといっても公演時間と料金。1公演約45分、チケットも低価格のため、1日にいくつもの公演を気軽にハシゴすることができます。
東京ではメイン会場となる東京国際フォーラムの8つの会場で、3日間にわたり朝から晩までコンサートが行なわれ、丸の内周辺エリアでは無料イベントも盛りだくさん。総公演数は約300にも上ります。
丸の内のオフィス街が音楽にあふれた“お祭り”ムード一色になるゴールデンウィーク。キッズ・プログラムも充実しているので、普段はクラシックに馴染みがない方も、家族そろって楽しめるお出かけスポットになること間違いなしです!
今年のテーマは“ショパンの宇宙”
毎年一つのテーマのもとに開催されるLFJですが、今年のテーマは生誕200年のアニバーサリーを迎える
ショパン。ピアノ作品をはじめ、ショパンの全作品が演奏されます。
さらに、ショパンが影響を受けた先代の作曲家たち(
J.S.バッハ、
ヘンデル、
モーツァルト、
フンメルなど)、ショパンと交流のあった同時代の作曲家(
ベルリオーズ、
リスト、
メンデルスゾーン、
シューマン、
ベッリーニ、
ドニゼッティ、
バガニーニ、
アルカン、
ツェルニー、カルクブレンナー、
モシェレスなど)の作品も紹介。ショパンが親しんだポーランドの民族音楽も登場します。
ショパンが滞在していた頃のパリは、19世紀ロマン派芸術の中心地。さまざまな芸術家が集まり、音楽・文芸・美術などで最先端の芸術が生み出されていました。そんなパリのサロンでの演奏会や、ショパンの早世を惜しんで友人たちが開いた“お別れ会”のプログラムも再現されるとのこと。
ショパンを中心に、その周辺の人々や文化を紹介することで、ショパンの作品が生み出された背景や、これまでとは違った作曲家像が見えてくることでしょう。
プログラム
5月2〜4日に東京国際フォーラムの8つの会場で行なわれる有料公演のプログラムが発表になりました。チケットが発売された途端に完売してしまう人気公演も多数あり。今から3日間の“ハシゴ作戦”を練っておきましょう!
※各公演についている3ケタの番号は公演番号、♪印は中高生席がある公演です。
※プログラムは後日変更になる可能性もあります。最新情報は“ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2010”の公式サイト(
https://www.lfj.jp/lfj_2010/)をご覧ください。
イメージイラスト:イジー・ボトルバ