共演曲「君がくれたもの」
のテーマは“感謝の気持ちと未練”。
そして裏テーマも……
――2人の初共演は約2年前のFoxxi misQ「Party Booty Shake feat. Miss Monday」になりますね。
YU-A「そうですね。あの曲ってアゲアゲな感じのパーティ・チューンだから、マンデーさんのパワフルなラップがハマるんじゃないかなって思ってお願いしたんです」
Miss Monday(以下、MM)「そのときの印象は、3人ともすごく素直な子だなって。実際、レコーディング中も“もうやめてよ”ってげらげら笑いながら話してたんだけど、私が音をチェックしてブースに戻って歌を録ろうとすると、3人で立ち上がっていちいち“よろしくお願いしまーす”とかって声を揃えて言うんですよ。私はバレーボール部の先輩か、みたいな(笑)」
YU-A 「(笑)もともとFoxxi misQって結構体育会系なノリがあるんですよ。ただ、私も途中で“これはウザいんじゃないか?”って思ってたんですけどね(笑)」
MM「ウザいっていうか、もうギャグになってたもん(笑)」
――「君がくれたもの」は女性から別れを切り出す歌ですが、テーマにしていたことは?
MM「感謝の気持ちと未練みたいな感情の共存ですね。私から別れようって言ったはずなのに“あ、でもなぁ”っていう割り切れない気持ちもあるっていう。悲しいけど笑おうとか、相反するものが共存してる“切ない”っていう感情を上手く表わしたいと思ったんです」
YU-A「最初マンデーさんから詞をもらって読んだときに切なかったし、私はそこから受ける印象を素直に書こうと思ってサビを作ったんです。ただ、私自身、結構重い人で(笑)。そんなつもりで書いてなくても“なんでそんな(歌詞が)暗いの?”って言われることが多いんですよ。だから、重くなりすぎないように、引き算しながら書いていった感じですね」
MM「私の中でこの詞の別れた理由は、ないものねだりなんだよね。別に嫌いじゃないのに、絆が深くなればなるほど、求めちゃうものって高くなると思うの。そこから亀裂が生じちゃってっていう」
YU-A「でも、女性って、頭では相手の邪魔になりたくないってわかってるけど、結果的にそうやってわがまま言っちゃって相手を困らせがちだと思いますよ。そのとき女の人には相手にこう言ってほしいっていうのがあるんですよね。あるのに、男の人にもその言葉を返してくれない人が多くて。そういう状況がすごく表現されてる歌だと思いますね」
――じゃあ、この曲の裏テーマは、女性のわがまま?
YU-A「みんな、わがままですからね(笑)。特に美とか愛情に関しては、女の人の方がないものねだりというか、欲張り(笑)。アレも欲しい、コレも欲しい、全部一口だけくださいっていう(笑)」
MM「私はどうだろう。どちらかと言うと私は、そういうのをなかなか言えない性格だからなぁ(苦笑)」
対照的な2人が、認め合っているポイントは……
――今回セッションして思った相手のリスペクトする点は?
MM「YU-Aちゃんは、わかんないことをわかんないままにしないっていうところ。それって簡単なことかもしれないけど、出来そうで出来ないことで。それが歌詞を書く上でもすごくいいスパイスになってるんですよ。あとは声質。微妙で繊細でウェッティな感情を声でああやって表現できるのは素晴らしいなと。私は、ライトに聞こえてしまう、明るく聞こえてしまう声質だから」
YU-A「私は逆にライトに歌えないからうらやましい(笑)。あと、マンデーさんは、レコーディングの仕方にせよ、歌詞の書き方にせよ、自己流スタイルがあって素敵だなって思いました。私って、考えるより、まずやってみるっていうタイプなんですよ。でもマンデーさんはちゃんと計画性があって突き詰めてやっていくから。そこは見習いたいなって」
MM「YU-Aちゃんと私は結構真逆のタイプかもね。でも、自分と違うものを持ってる人っていうのは刺激になるし、それがコラボレーションの醍醐味だと思うし」
――ところで、そもそもお二人って恋愛体質ですか?
YU-A「全然恋愛体質ですね。相手がいたら、ずっと一緒にいたいタイプだから。でも、ここ一年くらいで変わってきて、特にソロを始めてからは仕事にどんどんやり甲斐を感じてきているので、今は恋は要らない感じですね」
MM「私も今は恋愛体質じゃないかも。でも、根本的にはひとつのことに集中しちゃうタイプだから、もし、もうホントにメロメロになる男性と出会っちゃったら、たぶん、そっち行くかも(笑)」
YU-A「へぇー。なんかスタッフがざわついてますよ(笑)」
MM「これは今だったらやらないし、できないだろうなと思うんだけど、昔、好きな人のマンションに突然行ったこともあるからね(笑)。思いを寄せてて連絡を取りあってるくらいの関係の人だったんだけど、“うわー、会いたい”ってなっちゃって、ひと言“今から行く!”って電話して、夜中に行っちゃって(笑)」
YU-A「行ってどうしたんですか?」
MM 「でしょ?(笑) でも、行ったはいいけど、どうしよう? みたいな感じになっちゃって(苦笑)」
YU-A「“なんで来たの?”みたいなこと言われなかったんですか?」
MM「言われた。でも、“え、まあ、うん、あの”みたいな感じで言えなくて。アレはねー、青春してた(笑)」
YU-A「それ、私だったらもう思いを伝えちゃうな。そこまでやったら、バレバレじゃないですか、相手に(笑)」
MM「そうだよね(笑)」
YU-A「アレ、で、結局その人とは?」
MM「付き合えなかった、です(笑)」
取材・文/猪又 孝
撮影/高木あつ子
Column
「私がターニングポイントに聴いた曲」〜Vol.2
Saturday Night / OZOMATLI
これは比較的最近の曲だけど、ライヴについて悩んでいるときにこの曲に出逢いました。確かLA郊外にレゲエのフェスを観に行ったときに、なぜかラテン・バンドの彼らが出ていた。曲は生演奏で作られたHIPHOPのパーティー・チューンって感じなんだけど、彼らのライヴはとにかく楽しい。大人数のバンド構成で、まさにパーティーって感じなんだよね。私は彼らのライヴを観て、“楽しいライヴができるようになろう”っていうのと“バンドでライヴしたいな”って思うようになり、現在に至ってます。
(Miss Monday)