中村 中 連載「『少年少女』の世界」 - Chapter.5 『少年少女の世界』 あとがき〜中村 中からのメッセージ
掲載日:2010年10月13日
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 本連載では、中村 中のニュー・アルバム『少年少女』についてさまざまな人に聴いていただき、感想をいただきました。聴く人によって捉え方は違う、文学的な本作の本質が朧げながらわかってきたように思います。今回はいよいよ最終回! 中村 中さん本人からメッセージをいただきました。



■編集後記

 この連載では中村 中さんのアルバム『少年少女』を、寺岡呼人さん、GO!GO!7188のユウさんとアッコさん、坂本美雨さん、一青窈さん、森永卓郎さん、渡辺祐さんと7名の方に聴いていただき、そのご感想を紹介してきました。1枚のアルバムをここまで深く掘り下げる企画は本サイトでは初めてかもしれません。

 私が聴いたときは、全11曲、それぞれが短編小説のように異なる切り口の楽曲なのに、なぜか共通するテーマのような言葉がパッと浮かんできました。それは、“なぜ人は苦しみながらも懸命に生きているのか?”という疑問符でした。“社会に対する疑念”“自分自身との葛藤”“大人への旅立ち”……と『少年少女』に登場する主人公は生きる上でのさまざまな苦悩を抱えている。それでも、彼らはどんな苦悩も葛藤とともに乗り越えようとする……。そのプロセスの中にあるリアルな感情表現が大きな感動に繋がっているようにも思います。

 すべてにおいて、明確な答えというものは存在しない。つまり“答えが知りたいから、生きる”。そんな人生においてとても大切なことを、私に改めて考えさせてくれた『少年少女』の世界。時間を置いて聴くとまた違ったことを感じるかもしれません。読者の皆さんもぜひ、歌詞を読みながらじっくりと聴いてみてください。

清水 隆(CDJournal.com)
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